UESUGI 上杉研究所 は、アンプ設計者でオーディオ評論家でもあった上杉佳郎氏が兄・上杉卓男氏とともに1971年に創業(型番のU-BROS は上杉兄弟の意)、一貫して真空管アンプを製造してきました。
2010年に惜しくも上杉佳郎氏が亡くなった後を受け継いで、現在の代表、藤原伸夫氏が2011年から運営しています。
両氏は長年親交があり、厚い信頼を寄せていた上杉氏自身が後を託して現在に至っています。
藤原氏は長年日本ビクターで電気回路設計を担ってきたヴェテラン中のヴェテランで、ビクターの伝説的名機、ラボラトリーシリーズのME1000 やPL-10,XL-Z1000A をはじめとして多くの製品設計に携わってきました。
こうした藤原氏の百戦錬磨の経歴は上杉時代とはまた違った新風をもたらして、ウエスギ・アンプの伝統を周到に守ったうえで、さらに視野を広げて新しい技術も導入、新時代のウエスギをしっかりと印象付けています。
U-BROS-660 は、ウエスギのインテグレーテッドアンプとして好評を博したUYY-15 の約8年ぶりの後継機として、オーディオマニア向けのモニターライクな再生ではなく、音楽ファンが手軽に楽しめる一体型アンプとして開発されました。
製品としての安定性、信頼性は言うまでもなく、いつもどおりウエスギ・アンプでは当然の前提です。
- 回路構成の見直し
前作U-BROS-15 は出力管6L6GC を三極管接続したプッシュプル構成でしたが、今回この真空管本来の使用法であるビーム管接続に改め、スクリーングリッド電圧を低めに設定して裸特性改善のためカソード負帰還を行っており、6L6 系真空管の音の魅力を引き出すことに努めました。
- L,R独立のチョークトランスを採用
インテグレーテッドアンプでは初となるL,Rチャンネル独立のチョークトランス採用、またL,R独立のスクリーングリッド用電源回路を採用により、広帯域にわたりチャンネル間クロストークを改善しています。
- P-G帰還形、1段増幅のプリアンプ部
シンプルな構成のこのアンプは特性、音質ともに優秀で上杉研究所のU-BROS シリーズのプリアンプで採用実績のある優れた回路です。
- 4本の出力管は独立自己バイアス動作をしており、またスクリーングリッド電圧を抑えた設計のため、幅広い6L6 系真空管を無調整で差し替え使用が可能です。
- 真空管全盛時代に製造されたGE 社製6L6GC 出力管、ならびに独製低雑音真空管ECC83 をプリアンプに、ECC82 をドライバーに採用し、高信頼性を確保しています。
- スピーカー出力端子は4,8,16Ω用に個別に用意されており、幅広いスピーカーへのインピーダンス・マッチングが取れます。
- 信号増幅回路にはプリント基板による配線を行わず、40年余のキャリアのもつ職人による手配線を引き継いでいます。
*出力管に1950 年代に生産された貴重な米シルバニア製の軍用管でNOS管
(新品在庫)の状態でまとまった数量が確保出来た6L6GAY 真空管を使用したU-BROS-660S(600,000 円) もご用意しています。
6L6GAY はベースに信頼性の高いマイカノールを採用し、手間のかかった電極支持やゲッター構造で真空管全盛時代の先進工業国で生産された真空管ならではの高度で丁寧なつくりが特徴です。
店主おススメ!