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ホーム店主日誌'16東京インターナショナルオーディオショウ、見・聴き歩き
店主日誌
'16東京インターナショナルオーディオショウ、見・聴き歩き
2016年10月02日

 
今年も恒例の東京インターナショナルオーディオショウに行ってきました。
週末の土日は極力開店したいので、初日の平日・金曜日に行きましたが、今年は何となく例年に比べて人の入りが多いように感じられました。 
印象に残ったところをかいつまんでご報告。

いつもと同じく一番上(7階は、はしょって)の階から回るのですが、ほぼ毎年ブースの位置は決まっていて、エレベーターを降りたすぐ脇はフューレンコーディネートです。
去年も最初に聴いたスピーカーがピエガの超大型スピーカーMaster Line Source で、今までのスリムで清楚なイメージとかけ離れたその規模に驚きましたが、今年最初に迎えてくれたのはその弟分、Master Line Source 2 でした。
 

 
これは実験的とも言えるフラグシップ機をずっと現実的な大きさ(と言っても高さは176cm)にまとめたもの。これなら日本でも大きめのリヴィングなら十分使いこなせるでしょう。
但し価格はペアで1千万円也と、少し(?!)高め。それでも上級機の半額以下になってはいます..。
音のほうは去年のMaster Line Source より親近感を持てるもので(去年は音が部屋の大きさに収まり切れなかった嫌いがありました)、凛として、かつ繊細極まるもの。中高域は2ウェイのリボン型で、しかもダイポール方式(音が前・後両方に放射)ですので、ちょうどエレクトロスタティック・スピーカーのような音感。少しひんやりした感触は、北欧の録音には特にマッチしそうです。



この隣にもう一組、やけにスリムで背の高いスピーカー・システムが並んでいました。オーストリアのブロッドマンの新しい上級機(実はこの上にもう少し大きなJB 205 があります)、JB 175。こちらはずっとスリム(幅23cm!)なのに高さはピエガとあまり変わらぬ162cm。大きな地震が来たら倒れないかなと心配なくらい。普通の人が見たら高級なつい立だと思でしょう。
ブロッドマンはかつて、あのピアノと同じベーゼンドルファー・ブランドで出ていた製品の流れを継ぐもの。ピアノ・ソロでデモが行われたのは確信犯的、恐らくピアノを鳴らしたらこの右に出るものは無いでしょう。十分な音量で鳴らした時のJB 175 は、まさに実物のピアノが目の前で実演されているかのような錯覚を覚えました。
こちらはウォルナット突板仕上げで予価710万円/ペア。

どちらも高価な分、趣味性も半端ではなく、正確なトランスデューサ―などは端から目指してはいません。それぞれのメーカーの特質を突出して表わした作品であることを実感しました。
ですからどちらも強烈なほどに主張が強く、高度に練り上げられた独自の持ち味こそが最大の魅力で、聴き手を選ぶものであるのは間違いありません。
が、使い手にピッタリ合えば、何物にも代えがたいものとなるのも確かです。
 

 
太陽インターナショナルのブースには、ステラから輸入を引き継いだドイツ、ブリンクマンのターンテーブルが展示されていました。
ブリンクマンには現在5つのモデルがあり(うち3つはベルトドライヴ)、以前輸入されていたOasis のひとつ下位に位置するBardo というスリムな機種がトップバッターに選ばれました。価格はOasis の約半額、816,000円。ブリンクマンお得意のダイレクトドライヴです。これはなかなか魅力的ではないでしょうか。
アームにはTonearm10.1 (385,000円)が用意されています。
 

 
1階降りて、まずお馴染みのトライオードのブースは満員!
同社真空管アンプの人気はいつもながらで、今回はそれに加えてトライオードが輸入する英国スペンドールに久々の新作、しかもフラグシップ機の登場とあっては当然でしょう。
その新作、SP200 は初めての大型フロアスタンディング・タイプ。でも大型フラグシップと言っても先のピエガやブロッドマンの後に見るとずっと身近で、ホッとしました。
音のほうもやはりどこかホッとする、いかにも管球アンプと組んだアナログ・レコード再生に似合う人肌のサウンド。当たり前ではありますが、当店で使っている同社のSP1/2R2 の延長上にあることが確認出来ました。
 

 
その並びのハイエンド(輸入代理店の名前です)のブースには、店主お気に入りのドイツ、ランシェ・オーディオのスピーカーがあります。
デモしているのはいつものNO.5.1。いつもながらイオントゥイーターは清々しくも楽しいサウンドで魅了します。
私どもで扱っておりますので、ブースで聴いてお気に召した方は、どうぞお問い合わせ下さい。
 


 
4階に降りて、ラックスマンからは新しい管球モデルが2機種登場。
インテグレーテッド・アンプのLX-380と、CDプレーヤーのD-380。このデザインは、昔からラックスを知る方にとっては「これぞ永遠のラックスマン・スタイル」というところでしょう。本当に魅力的な機器達です。
このブースも入り口から入ることさえ大変なくらい、いつもながら満員の盛況です。

さて、ガラス棟をひと回りした後は空中橋を渡ってD棟へ向かいます。
いつも大きく立派な部屋でデモしているのは、アクシス。
入り口を入ると、おや、どうやら特別ライヴ?なのか会場で歌うヴォーカルが聴こえてきます。



会場に入ってみると、音の主はシン・ゴジラのような大きなスピーカー、ウィルソン・オーディオのAlexandria XLF でした。
ソースの質が良いのはもちろんですが、まさにそこで歌手が歌っているような等身大の再現を、細部の表現も申し分なくプレイバックしてみせたのには、このスピーカーなら当然とは言うものの、改めて感心。
ウィルソン・オーディオは創業が'73年ですので、米ハイエンド・スピーカーの草分けとして本当に息の長いマニュファクチュアラーで、現在もなおデイヴィッド・ウィルソンが率いて世界トップクラスの製品を生み出し続けているのには感服します。
店主もかねてから最も信頼を置くひとつです。

いつも最後の時間はヨシノトレーディングのブースで過ごします。
今回からデモを担当するのはヴェテラン営業マン、畑山氏です。
 

 
丹精込めて設計した今のモデルがマイベストだ、と言わんばかりに、めったに新製品など出すことのない、いや、出す必要もないEARですが、久々にフルモデルチェンジのCDプレーヤーが登場。デジタル機器に関しては、ほんの少しばかり早目のリニューアルが必要ということでしょう。
このAcute Classic は、ショウに先駆けて既に当店で試聴会を開催済みで、お聴きになった方々に大変好評でしたが、ほとんどの方にとっては初お目見えとなります。
今回はこのCDプレーヤーが主役ですので、いつもはアナログ・レコードしかかけない(というより、CDプレーヤーの展示が無い)、ヨシノトレーディングとしては異例の(?)CDによるデモが中心となりました。
とにかく「音楽」を聴かせてくれるCDプレーヤーとしておススメなのはもちろん、DACとしても最高。詳細は製品ページをご覧下さい:
http://www.maestrogarage.com/product/2288