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ホーム店主日誌音展’17、見・聴き歩き
店主日誌
音展’17、見・聴き歩き
2017年05月15日



音展'17に行ってきました。

音展は幅広くAV,ハイレゾなど総合展のイメージが強かったので、今まで余り馴染みがなかったのですが、今回はインターナショナルオーディオショウと同じく東京国際フォーラムでの開催で、お世話になっているメーカー,代理店も多く出展するということもあって、初めて行ってきました。
とは言っても時間に限りがありましたので、事前にパンフレットに丸をつけた所のみ周りました。

いつものようにセミナーや評論家の講演時間は混みますので避けて、一番上、6階からスタート。
最初に入ったオーディオデザイン は独立した部屋でELACの小型スピーカー、BS312 を鳴らしていました。
期待通り、大きさを超えた鳴りっぷりで聴かせ、オーディオデザインのシンプルなアンプにピッタリの洒落た組合せと感じました。

同じ階のDYNAUDIO も見逃せ、いや聞き逃せません。
以前も聴いていますが、ニューカマーのCONTOUR コンター・シリーズが目玉です。鳴っていたのはシリーズ最上級機、CONTOUR 60。スリムながらも高さが135cmあり、結構堂々たる体格。椅子に掛けて聴くとミッドとトゥイーターは少し見上げる形となります。
最後に聴いたショスタコーヴィチ/交響曲第10番のスケルツォは余裕でクリア、大人の再現です。ただこの曲の狂気をさらけ出すには、もっと上級クラスのアンプやプレーヤーが必要かもしれません。まだまだ潜在能力があることを実感させてくれました。
いずれにしても新しいコンターはディナの最近の傑作であることには変わりありません。

ひとつ階を降りて5階ではまずアイレックスのブースへ。
昨日お客様に納めたばかりのイタリア産パワーアンプ、AUDIA FLS4 と対になるプリアンプが初お目見えというので早速伺いました。
そのプリ、FLS1 は高さを少し抑えながらも独特の造形で存在感あるアピアランス。最初に入ったサンプルがブラックだったということで、より精悍さが増したように見えました。音はまだですが、いずれじっくり聴かせてもらいましょう。

もうひとつ注目作がリトアニアのターンテーブル・メーカーReed の新製品、Muse 1C。これもここで初のお披露目となります。
リード・ターンテーブル3兄弟の末弟ですが、ボディの材質・構造が異なるため意外にもサイズは最も大きく、結構な存在感。上級機を継承する2モーター式のベルトドライヴが特徴です。
ユニークなのは33,45はもちろん、78と何と16回転(!)まで対応している点。かつてアメリカを中心に一時期16 2/3rpm という回転数のレコードがあったのですが、それも再生可能。持っている人はほとんどいないでしょうが。

リードにはもうひとつ初お目見えの注目作があります。トーンアームのReed 5T。
これがスゴイ。スイスのThalesが先鞭をつけたスライド動作に依らないリニアトラッキングアームですが、リードはリニアモーターとレーザー光による位置制御によってアームを精密にリニアトラッキングさせるというアームを製品化してしまいました。設計者のトゥリウカス氏(何回聞いても覚えられません..)、レーザーを利用したメカトロニクスでは右に出る者がなさそうです。

1階降りて4階には小さなテーブルでの出展社が沢山並んで、秋葉原部品街のよう。面白いものがいっぱいありそうです。
但し今回は時間の関係でほんのつまみ食い、決めておいたブライトーンのコーナーへ。
お目当てのひとつは米High Fidelity Cables の最新シリーズ、Reveal リヴェール。同社独自の「磁気伝導」技術を応用したケーブルで、従来のトップエンドシリーズのエッセンスを継承し、最大限コストを抑えたモデルです。1mのRCAラインケーブルで110,000円/ペア、これなら現実的な価格です。

ブライトーンではもうひとつ、新しく扱いが始まったアメリカのメーカー、Stillpoints。独自の制振理論によるオーディオアクセサリーをリリースしています。
今回注目したのはアナログ・プレーヤー用のレコード・スタビライザー、LPI。精巧なマシン加工で仕上げられており、重量は700gありますので、適合不可のプレーヤーも出てきます。
内部にはいくつもの小空間があり、その中に小球を複数仕込むことで効果的に振動を吸収します。

土曜日に比べると人の入りがもうひとつとも感じましたが、ビジュアルやハイレゾ、ポータブルオーディオなどが中心といったイメージを超えて、今年はさらに充実したショウへと脱皮していく意気込みが感じられたのは収穫でした。