2017年10月14日
有難いことにお客様から立派な単行本をお譲り頂きました。
クラシック好きならきっと楽しめるとのことで、恩田陸の「蜜蜂と遠雷」。
ああ、それなら聞いたことある、という方も少なくないと思いますが、今年の直木賞と、さらに本屋大賞もダブル受賞した有名な小説だそうです。
架空の国内ピアノ・コンクールを舞台に、様々な生い立ち,立場の出場者それぞれ(メインでは4人)に過去から現在まで光を当てて描く青春群像小説で、著者自身(1964年生まれ)幼少のころからピアノを習い、今でもピアノを聴くのが大好きだそうで、実際の浜松国際ピアノコンクール(3年に一回の開催)に4回、一日中出場者のピアノを聴いて取材をしたとのことです。
読んでみるとよく分かるのですが、余程ピアノ・コンクールが好きか関係者でもない限りここまで詳しく描けないだろうというくらい生々しい描写で、さらにいずれもひと癖もふた癖もある登場人物が面白くて、思わずニヤッとしてしまいます。そのままアニメにもなりそうですが、小説では心の声の部分が多く、映画も含めて、そのままではなかなか映像化は難しそうです。
分厚い長編で、とにかく読むのの遅い私は始めの部分で少々難儀しましたが、途中からぐいぐい引き寄せられ、後半は止まらなくなるくらい勢いが付きました。
とくにピアノが好きな方、ピアノを習ったことのある方は自らを重ねて苦笑いをしながら楽しんで頂けると思います。機会がありましたら読んでみて下さい。
本日の、店主おススメ!