2018年11月10日
たまにですが、営業時間外でシャッターが閉まっているときに、店の前に無断駐輪の自転車が停められていることがあります。
そういうときには見つけ次第、表通りまで押して行って道の脇に移動します。
シャッターにはシールで「店舗前の無断駐輪は即移動します」と書いてあるので、以前よりはだいぶ減りましたが、ここが駅のすぐ近くなので、買い物などで一時停めておくにはとても都合の良い場所なのです。
近くには公共の駐輪場もあり、1時間までなら無料なのですが、ちょっとだけならよいだろうという安易で自分勝手な人が少なくないのは困ったことです。
今日も店に出てみると、かなりくたびれた自転車が停めてあります。ああ、またか、とすぐに表通りの遠くのほうまで押して行って移動しました。
夕方になってドアを入ってくる年配の紳士、典型的ないつもの私どものお客様のように見えましたので、いらっしゃいませ、とお迎えすると、
「すみません、前に自転車を停めてしまって。」
とおっしゃるではありませんか。
伺ってみると、通院のために乗ってきた自転車、シャッターが閉まっていたのでつい停めてしまったが、戻ってみると無くなっているので声を掛けたとのこと。
それでも書いてある通りダメですよ、とは言うものの、低姿勢でしかもかなりのご高齢(70代後半~80?)、自分勝手な若者やオジサン,オバサンにならガンガン言うものの(そもそも彼らは謝りなどには来ない)、つい店主もトーンダウンして、いつの間にか世間話に。その方が店の前に置いてある金属製のヴァイオリン型ウェルカム・サインを指差して、
「これとても良いですね。」
めったに気付いて褒めてくれる人はいないので喜んでいると、
「実はヴァイオリンの仕事をしていたんです。」
へえ、何と、俄然店主も興味が湧いて色々訊いてみると、かつてN響のヴァイオリン奏者で、海野義雄氏や徳永二男氏らとともに弾いていたのだそうです。
しかも往年の名カルテット、アマデウス弦楽四重奏団のメンバーらとも親しく、先日も自宅に招いて久々に手入れをしたアナログ・プレーヤーで聴かせたところ、良い音だと喜んでいたといいます。
なんだ、それならもう一度お客様として来て下さいよ、と言って自転車を移動した場所を伝え、お見送りしました。
お住まいは店主の自宅と同じ町内で、店より近く、これまた不思議なご縁となりました。
今度は開いているときお客様として来て下さいね。そうしたら通院でそのまま停めて下さって構いませんから♪
あ、因みに上の写真は無断駐輪ではなく店主の(正確には家内の)愛車、電動ママチャリです。イメージ、ということで。