2013年10月08日
今日、お客様がご自分で録った生録音源を持って来て下さって、店で一緒に聴かせて頂きました。
ずいぶん前、オープンリール・テープ・デッキ全盛の頃、頻繁に生録会というものが開かれていましたが、生録という言葉を聞いたのは久し振りです。
このお客様も当時の生録ブームをリアルタイムで経験された世代ですが、久々に何十年ぶりかで用意された機器は当時の十分の一ほどの大きさと重さの小型ポータブル・デジタルレコーダー(KORG製、現在廃番)。小さなハードディスク・メモリーを内蔵した、お弁当箱ほどの高性能録音機で、audio-technica のワンポイント・ステレオマイクとの組み合わせです。
なるほど、これならカメラのように持ち歩いて、昔とは比べものにならないほど手軽に生録が可能です。
既に4,5ヶ所でジャズの生演奏を収録されていましたが、どれもそれぞれその場所の雰囲気が生々しく再現され、なかでも小淵沢のペンションのサロンで録音されたピアノ・トリオは比較的ポンと(しかしちゃんと考えて)マイクセッティングしたとは思えないバランスで大変クリアに録れており、このままCDにしてもおかしくない出来栄えでした。
気を付けて見ていると、現在も時々生録会が開かれているそうで、参加人数も数人から10人ほどと、昔のように機材やマイクの置き場所の取り合いなどの心配もなく、余裕で楽しめるところも魅力です。
さらにポータブルな手軽さを活かして、阿佐ヶ谷のストリート・ジャズなどをスナップ写真の如く録る、なんていうのも簡単。
しかもCDをはるかに超えるスペックでのデジタル収録がハンディな機器で可能なのですから、考えてみると今こそ生録、なのかもしれません。
私もちょっとやってみたくなりました。