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劇団東京イボンヌ公演「モーツァルトとマリー・アントワネット」を観てきました
2015年12月11日
 


以前荻窪音楽祭でお世話になった作曲家の小松さんからお誘いを受けて、「モーツァルトとマリー・アントワネット」という演劇公演を、品川区荏原にあるスクエア荏原ホールへ観に行ってきました。

東京イボンヌというのは私は初めてでしたが、'07年に旗揚げ、俳優の演技,声楽家の歌唱,そして演奏家による生演奏を融合した「クラシック(音楽)・コメディ~【クラコメ】」というスタイルで好評を博している劇団で、例えば前回公演では、いしだ壱成をゲストに招き舞台「俺の兄貴はブラームス」を、それ以前は「酔いどれシューベルト」,「ショパンの馬鹿!別れの夜」,「イッヒリーベディッヒ~ベートーヴェンの愛した曲」,「無伴奏」など、ちょっと見てみたくなるような題名の作品が並んでいます。
小松さんはそこで音楽監督,編曲を担当されています。

今回は主役の二人、モーツァルトとマリー・アントワネット役にゲストで石井康太さん(俳優&コメディアン)と宮地真緒さん(NHK 朝の連続テレビ小説「まんてん」主役)を招いての公演です。

演劇の舞台を観るというのはン十年ぶり、期待と不安を胸に向かいましたが、まず驚いたのがほぼ満席状態なこと。
ゲストのファンも多かったのでしょうか、360席ほどの小ホールではありますが、平日木曜日のお昼12時からの演劇公演でこれほど入るものなのかと、認識を改めました。年齢層も若い人から年配までほぼまんべんなく入っています。

開演30分前には、ピアノを担当する小松さんと合奏アンサンブル,声楽メンバーらによるプレコンサートも開かれ、そこで小松さんの美しいオリジナル曲も披露されました。

劇の内容はモーツァルトとマリー・アントワネットにまつわる史実を取り入れ自由に構成、モーツァルトを神の子に仕立てて展開する荒唐無稽な物語。アマデウスの有名な父親レオポルドやパパ・ハイドンも重要な役柄を演じます。

普通の演劇とは大違いで音楽のほうにも俳優の演技と同じウェイトが与えられ、小さな室内楽団ほどのアンサンブルが常時舞台上に陣取り、俳優の演技と交互に、モーツァルトの器楽曲や、ゲストの声楽家ら(ソプラノとメゾソプラノ)が本格的なアリアを歌い上げます。
オペラはあまり得意ではない私もよく知るタイトルがいくつも現れて、楽しめました。

演技,コメディー,音楽,振り付けなどが一体となったハイブリッド演劇とも言うべき作品で、ゲスト2人のスタイルの差もあってシリアスとコミカル(コメディー)がまだ消化し切れていないきらいはあったものの、これだけ盛り沢山な内容をまとめた脚本家の力量は、これが記念すべき第10作目となることもあって、なかなかのものと感じました。

次は、第1回公演の演目ながら最も再演の希望の多い(実際に1回再演を実施)「無伴奏」だそうですので、ご興味のある方は注目を。