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店主日誌
2015年映画興行収入
2016年02月04日
 

 
昨年2015年の映画興行収益と観客動員数が発表され、微増ではありますが前年を上回って、洋画に限って言えば前年比112%となかなかの結果だそうで、映画好きにとっては嬉しいところです。

思えば以前一時は、街の映画館が軒並み閉館、もはや映画館で映画を見る時代ではないのか、といった報道を度々目にし寂しい思いをしていましたが、これには映画をパッケージするソフトがVHSビデオテープからDVDに代わり、家庭でも格段に優れた画質,音声で観ることが出来るようになったこと、同時にDVDになってソフトの価格も数分の一になってレンタルばかりでなく購入のハードルもはるかに低くなったことなどが影響していました。

でも映画館は絶滅はしませんでした。
確かに駅前にある古い映画館はほとんど無くなりましたが、映画館側も時代に合った生き残りを始めます。今賑わっているシネマコンプレックス、所謂シネコンというやつです。上映室のサイズは小さくなりましたが、ひとつの映画館内に複数の上映室を設け、トータルで利益を稼ぐという方式です。
同時にドルビー社の新しい高音質マルチチャンネル・スピーカーシステムを導入し、音響効果も古い映画館とは比べものにならない進歩を果たしました。
新しくきれいになった館内は席も大きく、ドリンクホルダーも備えて隣の席との間隔もゆったり、前後で段差を設けて前の人の頭が邪魔にならない配慮もされて、格段に居心地が良くなったのも観客の呼び戻しに大きく貢献したでしょう。
しかも今はインターネットでチケット購入、席の指定も出来、簡単に、安心して映画館に向かえます。

但しチケットの値段は基本1,800円と決して安いとは言えないですが、それでも行ってみようかという気になるのは作品の魅力はもちろん、上記のような映画館側の努力によるところも大きいはずです。
つまり自宅とは違って特別な楽しみ方が出来るのであれば、その価値に対してお金を払っても構わないということでしょう。

映画館で観ることが、こうして新たな価値観を生むことになって、一時どうなるのかと思われた映画館にはまた再び賑わいが戻ってきているわけです。

そう考えているうちに、おや、ちょうど同じようなことが他にもあったな、と気が付きました。
そう、アナログ・レコードの人気復帰と状況が似ているのです。
レコードはかけるのは面倒だし、新譜で買おうとするとCDより高価、今では1曲単位で好きな曲だけダウンロードして購入することも出来ますから、便利・安価・気軽なことではCDやネットの敵ではありません。
それでもレコードを聴く人が増えているというのは、CDやネットで簡単・手軽なソフトが出揃ったところで、聴く側もその中身をすっかり把握し、それらに無い十分な満足・感動を得られるもの、つまりレコードに対してなら少し面倒でもお金を出してもいいかな、と考え始めたのでしょう。

これは制作する側でも同じ、一部、心あるアーティストはアナログ・レコードでも新譜を出しているのは、ご存じのとおり。

音楽も映画も、好きなものは大切に観・聴きしていきたいものですね。