2013年12月27日
たまたまのきっかけで知ることとなったCDコンダクティング・システム(勝手に名付けた仮称)を開発者の津留崎氏のガイダンスで初体験させて頂きました。
製品名はaDMaestro アドマエストロといい、まったく新しいジャンルの製品で、基本はWindows向けのアプリケーション・ソフトでこれとMicrosoft Kinect (複数のカメラを搭載した画像センサーユニット)を組み合わせてシステムとしたものです。
何が出来るのかというと、CD (に限らずWAV,MP3ファイルのデジタル音源)のオーケストラ演奏を自分の指揮で再生することが出来る、つまりCDを自分の好きなように指揮して演奏出来るのです。
デジタルだからこそ出来る離れ業ですが、但し自在に操れるのはテンポのみです。
しかし実際に振ってみると極めて敏感に指揮についてきて、まさに自分で指揮している錯覚に陥ります。
指揮に迷いがあるとオケはちゃんと混乱します。遊び半分のゲームソフトなどではなく、ある程度基本をしっかり振ってやらないとまともな演奏にならず、結構本格的に楽しむことが出来るところがスゴイです。
初めて振る曲に、これなら出来るだろうとワーグナーのニュルンベルグのマイスタージンガー前奏曲を取り上げましたが、これがまたそうは問屋が卸さず、まるで生のオケを振っているようで、普段レコード(うちは普通、CDではなくアナログです)を聴きながらひょいひょい指揮をしているような真似事ではたちまちオーケストラから文句が出てしまいます。
と言っても楽員がブツブツ言うわけではなく演奏がふらふら、いかにも素人指揮者にオケが面喰らっているように鳴ります。
今回の音源はシカゴ交響楽団の演奏でしたから、相手に不足はありません(!?)、クナッパーツブッシュにでもなった気分でフィナーレはカッコよく堂々たるテンポで決めたところ(自分は勝手にそう思っています)、津留崎氏から「あんまり引っ張るもんだから、オケが悲鳴をあげてましたよ」との一言。
たとえベルリン・フィルやウィーン・フィル、あのN響にだってこんな傍若無人,唯我独尊なことが出来るのがアドマエストロです。
でも津留崎氏の本来の目的はもっとシリアス、音大生などの基本勉強や、「ミュージック・マイナス・ワン」CDを使って自分の好きなテンポでアンサンブルを楽しむなど、実践的にも役立てたいとのこと。それだけ本格的なシステムだということです。
すでにNHKやTV東京の「トレたま」でも取り上げられたそうです。
詳細は私どもで改めてお伝え出来ると思いますが、店主のようなオーケストラ曲好きには癖になりそうなシステムです。