2014年05月11日
ちょっとした合間に聴いて、おやっと思ったレコードを取り留めもなくご紹介。
今回は2枚ですが。
ドイツから仕入れたETERNA盤の中にたまたまP.シュライアーの歌うシューベルトの名作歌曲集「美しき水車小屋の娘」が2枚ありました。
1枚は’71年、シュライアー36才の時の録音で、ピアノ伴奏はワルター・オルベルツ。定番です(写真右)。因みに独Grammophn から出ている同じ演奏も、オリジナルはこのエテルナ録音です。
もう1枚は9年後の’80年に録音された同じ曲集ですが、こちらは現代イギリスの作曲家ジョン・W・デュアートとドイツの名ギタリスト、コンラート・ラゴスニークとがギター・ソロ伴奏に編曲した版。
録音エンジニアは違いますが場所はどちらも有名なドレスデンのルカ教会です。
さてこの聴き較べはというと、伴奏楽器を別にしても結構違い、シュライアーが伴奏楽器に合わせてはっきり歌い分けていて、ピアノのオリジナルではいつもの知性的な朗々と歌う歌唱に対して、ギター伴奏では楽器の音量が小さいのとその持ち味に合わせてずっと抑えた、時に囁くような歌い方になっています。技巧的とも言えるでしょう。
また9年経っていますのでその差もあるはずです。
録音も前者のほうが若干オン気味で、さらに若々しさが感じられます。
どちらも捨て難いですが、個人的にはやはり、ミューレリンにはストレートな歌唱、そしてピアノも素晴らしい音で録られている’71年盤に軍配を上げるかな、といったところでした。
皆さんはいかがでしょう?