2015年08月25日
かねてから先方にもお願いしていたのですが、用事が出来たのを機に、今日は横浜市都筑区のフェーズメーションに行ってきました。
フェーズメーションは母体である協同電子エンジニアリング(株)のオーディオブランドです。
協同電子エンジニアリングは当時アイワ(株)に勤務していた鈴木信行氏(現会長)が'70年に設立、当初磁気記録関連の計測機器の製造・販売からスタートしました。
オーディオ関連を含む技術開発,OEMを重ね、現在は得意のナビゲーション技術などをもとに自動運転など車載機器を中心とした開発を手掛ける技術集団です。
'02年に鈴木氏の長年の夢であった自社ハイエンドオーディオ・ブランドとしてPhasemation フェーズメーション(当初はPhasetech)を立ち上げました。
最初の製品、P-1 MCカートリッジから現在まで、独自技術をふんだんに使ってユニークな視点で妥協のない製品をひとつひとつ送り出してきました。
その根底には常に鈴木氏のオーディオに対する信念と情熱、そして音楽への愛があるのです。
ちょっとオーバーかもしれませんが、本田宗一郎の頃のホンダに通じる思いがします。
何だか会社紹介のようになりましたが、私自身もその開発姿勢,モノづくりに大きな共感を覚え、また日本ビクターに勤めていた頃の先輩方が複数いることもあって応援を惜しみません。
さてフェーズメーションにうかがうのは初めて。久しぶりにお会いした同社技術担当の斉藤氏に試聴室でいろいろ聴かせて頂きながら、製品づくりについてうかがい、音楽談義にも熱が入りました。
斉藤氏は同社のアンプ類のほとんどを手掛けるヴェテラン設計者であり、設計のモットー、そして海外駐在経験、とくにドイツでの音楽体験譚はため息の出るようなお話を聞くことが出来ました。
何よりもまず音楽ありきで、それを楽しむためのオーディオづくり、という当たり前ではあるものの、単なる設計屋と優れたアンプ設計者との大きな違いの一端はそこにもあると感じた次第。
試聴のほうは、トップ・モデルのPP-1000 MCカートリッジ,EA-1000 フォノステージ・アンプ,CA-1000 真空管プリアンプ,MA-1000 真空管モノブロック・パワーアンプを使って悪いはずはありません。
とくにパワーアンプは片ch2台(計4台)を使ってJBL Project EVEREST DD65000 をバイアンプ駆動しているので、何のストレスもなく音が沸き上がってきます。1台が10Wのアンプですが、そんなことを全く感じさせない頼もしさです。
なかでもアンドレ・プレヴィンが最も乗っていた頃、ロンドン響とEMI に入れたショスタコーヴィチの8番,チョン・キョンファ(蘭DECCA)とアッカルド(日PHILIPS)によるブルッフの協奏曲の聴き比べ、そして森山良子の「中央線あたり」ではわが地元の匂いを楽しませて頂きました。