2024年07月30日
東京インターナショナルオーディオショウ/TIAS、今年は会場の東京フォーラムが、いつもの開催時期の秋に改装工事のためイレギュラーな真夏の開催となりました。
2日目の土曜日に行ってきましたので、今回も店主の独断で、印象に残ったものを中心にご報告させて頂きます。
Alare Amiga 1
Audia FLS20 SACD player
Audia FLS8 monaural power amp
いつものように上の階から回って、まずアイレックス eilex ブース。
大迫力で鳴っているのはいつものイタリア
Alare アラーレの大きなスピーカー、Remiga 1。
いつにも増して歯切れよく聴こえますが、かける音楽ソースの良さもポイント。社長の朝日さんが欧米のオーディオショウで見つけたとっておきの音源を聴かせてくれます。
次の写真は、イタリア
Audia オーディアの新型SACD プレーヤー、
FLS20。海外では時々見かけるトップローディング方式です。
一番下は、ちょっと見難いので申し訳ないのですが、オーディア中堅シリーズのパワーアンプ、モノラル・タイプの
FLS8。これも新製品です。
最近はモノラル構成のパワーアンプというととてつもなく大きく、価格も一桁違うような製品が多くなっていますが、オーディアはそうした中ではまだ現実的(185万円/1台・税別)、こうした製品をラインナップする同社は海外勢としては有難い存在です。
当店ではステレオ・パワーアンプの FLS4 を試聴展示していますので、こちらもどうぞよろしく。
Degritter Mk2
ortofon GTX series
カートリッジ・スタンド(参考展示)
オルトフォンのブースには最近輸入を開始した超音波型レコード・クリーニング機、
デグリッター Degritter Mk2 が展示されていました。暗いのでうまく写真が取れず、製品写真でご勘弁下さい。
2枚目は
オルトフォンの新しいSPU で、先頃出た昇圧トランス内蔵型の発展モデル2種類(丸針と楕円針)。こちらは現代的アプローチとのこと。
次の写真は、カートリッジ(ヘッドシェル)・スタンド(1個用)。参考出品ながらシンプルな形状とカラフルな色展開がなかなか魅力的。縦置き・横置きどちらも可、というのも新機軸。
Phasemation SA-1500 integrated amp
フェーズメーション Phasemation ブースでは今回はソナス・ファベールのスピーカーで鳴らしていました。注目の新製品は、300B シングルアンプの
SA-1500。去年発売のモノラル・パワーアンプ MA-5000 に比べるとずっと現実的な価格のインテグレーテッドアンプです。
パッシヴプリアンプの
CM-1500 も発表されました。開発者の斉藤氏によると、プリについは、パッシヴのとにかく静かなところに惚れ込んでいるとのことでした。
JUNONE 845SE(Phile Web から)
Gold Note A6 EvoⅡ(Phile web から)
トライオードのブースは行ったときは満員でドア閉鎖、残念ながら入ることが出来ませんでしたので、音元出版のPhile Web から写真をお借りしました。
上の写真が
JUNONE 845SE インテグレーテッドアンプで、初お目見え(参考出品)。既に生産終了となった845S の後継機で、同社の最高峰モデルとなります。Evolution モデルに共通するフェイスパネルに一新されました。
2枚目の写真は、イタリア
Gold Note のスピーカー
A6 EvoⅡ。日本の家庭事情でも使い易そうなサイズの高級機で、なかなかの音を聴かせていたそうです。
Monitor Audio
ナスペックのブースではちょうど、お手頃価格の新スピーカー Monitor Audio Studio 89 (左)が鳴っていました。10cm のミッドバス2本とMPD トゥイーターによる小型スピーカーですが、他の同社製品と同じく実にまっとうな音のするスピーカーで、それほど広くない部屋でのリスニングにはお勧めです(35万円・税別)。
隣のトールボーイ型は同じくMonitor Audio のSilver 200-7G で、Studio 89 とほぼ同等の価格ながら大きな分余裕はあります。好みで選べる好敵手です。
Sonus faber SonettoⅠG2, SonettoⅡG2
Sonus faber Concertino G4
ノアのブースでは、今回のショウでも話題のスピーカー、
Sonus faber ソナスファベールの Suprema が展示されていましたが、セッティング替えの最中で聴くことは出来ませんでした。大規模でとてつもなく高価ですが、見てすぐ同社の製品と分かるデザインにまとめられているのはさすがです。創業者のセルブリン氏自身はここまで大掛かりなスピーカーを手掛けるつもりはなかっただろうとも思われ、世代の変遷を感じました。
一方身近な価格帯の中では改めて
Sonetto シリーズが注目されてよいでしょう。1枚目の写真は参考出品の
Sonetto G2 ですが、今までのモデルに比べてより高級感のある仕上がりとなっていて魅力的です。近々現行と置き換わるはずですので楽しみです。
2枚目の写真は、これも参考出品の
Concertino G4。かつてのソナスファベールの面影を色濃く残す外観に惹かれます。きっと音のほうも期待出来るでしょう。
Bayz Audio Counterpoint2.0
ステラ&ゼファンのブースでは、もうひとつショウの目玉と言える
VIVID Audio の Moya M1 がその威容を現していましたが、人があまりに多く、立ち見の人が壁のようになってその大きなMoya でさえまったく見えません。見えない中で音だけ後ろの方で聴くかたちとなりましたが、その時かけた音楽が意外にも(?)バッハのゴールドベルグ変奏曲で、大きな図体に似合わず大変繊細で親密、音像も大きくならずにいたって普通の鳴り方をしたので逆に驚きました。
また、設計者のローレンス・ディッキー氏自身が、手元に小さなオルゴールまで用意して技術的内容を丁寧に語っていたのに好感を持ちました。
このブースでは上の写真、
Bayz Audio ベイズ・オーディオの新しいスピーカー
Counterpoint2.0 を聴きたかったのですが、この時は聴けずに残念。今までのCourante2.0 をそのままスケールアップしたような大きさで、重量もはるかに重くなり、内容に磨きをかけたフラグシップです(価格にも磨きがかかりました…)。
Air Tight ATE-5 phono amp
My Sonic Lab Signature Diamond
エアータイト・ブースでは、往年のチェンバロ奏者、ラファエル・プヤーナがクープランを弾いたレコードが見事な音で部屋いっぱいに響いていました。カートリッジは
My Sonic Lab の最新作
Signature Diamond。
音出し無しの参考出品ながら、ATE-5 というフォノイコライザーアンプが展示されており、実際に出てくるのが楽しみです。
LUXMAN E-07
LUXMAN ブースには、新しいフォノアンプ
E-07 が展示されていました。生産終了したEQ-500 に置き換わるモデルで、こちらはソリッドステート型(50万円・税別)。バランス入力にも対応しました。
今年のTIAS は会場の都合で真夏の開催となり、カンカン照りのなか会場まで行くのがちょっとしんどくはありましたが、それでも行くという方が集まったせいでしょうか、各ブースに詰めかけた皆さんの熱気はいつも以上と感じました。
ただ今回は、アナログ関連に限って言えば少々淋しかったかな。
次回2025年は、また元の時期に戻って10月17日(金)~19日(日)の開催予定だそうです。
この日はカミさんが出掛けていて、「夕飯は無いから勝手に食ってこい。」とのお達しがありましたので、帰りがけに久々に新丸ビルにある洋食店「レストラン大宮」(本店は浅草)を再訪、ちょっと贅沢をしてビーフシチューを頂きました。
ご馳走様。