店主日誌
新・ゴジラ?
2016年08月13日
話題の「シン・ゴジラ」、観て参りました。
子供の頃から繰り返し観て、伊副部音楽のオスティナートのように刷り込まれてきた第1作の白黒「ゴジラ」が唯一無二の「真・ゴジラ」だと信じてやまない店主ですが、ここ2作ほどの米国ハリウッド製ゴジラの余りの失態に、やはりゴジラ映画は日本で作らないとダメなんだ、との確信をもつようになっていました。
かと言って、ハリウッドへ行く前の国産ゴジラも完全に行き詰まりを見せていましたので、今更また日本で新しいのを作ってもどうなのかなあ、などという思いがあって、新しいゴジラ上映開始のニュースにもそれほど惹かれず、そのうち行ってみようか、程度でした。
それが、少し前に相次いでお客様や友人など何人もから「すごく良かった」という感想を聞いたことがきっかけになって、家族で観に行くことにしました。
どうせなら一番大きい画面がいいと、まずIMAXを狙ったのですが、これは気がついた時には既に遅く、予約でチケット完売。それならと新しい新宿・歌舞伎町TOHOシネマズ新宿の一番大きな上映室(スクリーン9、約500席/8×19.2m画面)に予約。
結果、ゴジラにはちょっとうるさい店主も90%納得(これはほぼ満点に近いという数値)、予想を超えて大満足でした。
実は並んで観ていたカミさんのほうがいつも辛口で、まず何を見ても「まあまあ、だね」というのが口癖ですが、今回は一言「面白かったね」。これはかなり高評価と受け取っていいと思います。因みに、もちろん息子は大喜び。
何が良かったって、やはり初心に帰った第1作ヘのリスペクト。
それと何といっても徹底的にリアリティを追求した映像。しかもこれも、第1作のミニチュア模型による細部の拘りがちゃんと継承されています。自衛隊の全面協力もお決まりかつ必須。
そして個人的に嬉しかったのは、オリジナルの伊副部音楽ヘのリスペクト。部分的には本当のオリジナル・サウンドトラック(モノラル)を使用してまでの拘りようには頭が下がりました。
ストーリーについてはネタばれはしたくないので細かくは申しませんが、とにかくリアルに、「今、ゴジラが現れたら日本はどうするだろう」という設定で徹底的にドキュメントドラマ仕立てで余計なエンターテイメントを排したことが功を奏していると思います。
強いて言うと、昔の映画のように強烈な個性でゴジラに負けないほどのインパクトを与える俳優(例えばオリジナル・ゴジラの芹沢博士役、平田明彦)がいないのは歯がゆいところですが、致し方の無いところでしょう。
総監督の庵野秀明は「エヴァンゲリオン」、監督の樋口真嗣は「進撃の巨人」の監督とのことで、アニメーション界の逸材たちがフルCGと割り切って全力で取り組んだことがよかったのでしょう。
店主には今まで縁のない新世代のクリエーター達ですが、後で庵野は「風の谷のナウシカ」で巨神兵のシークエンスを担当したと聞き、なるほどと納得。
興味のある方、まだ観に行かれていないなら、映画館へGO!