店主日誌
アナログオーディオフェア2018、見聴き歩き
2018年06月13日
毎回楽しみにしている「アナログオーディオフェア」に行ってきました。
今年は当店「カートリッジ会」(お客様二人の自主運営)のメンバーお二人と一緒に見学です。
3人で早めのランチをとってひとしきり歓談してから、いざ会場へ。
今までは玄関のある1階にブースはありませんでしたが、今回は初出展のアスカが部屋を設けて展示。純マグネシウムを使ったアウタースタビライザーをはじめとするアナログ・アクセサリーを揃えています。
なかなか見たり聴いたりすることが出来ないからか、小さな部屋は満員状態。初めての製品ばかりなので、皆熱心に質問をしていました。
アスカ製品試聴ご希望の方は、どうぞ当店にお申し付け下さい。
次は、今のうちに行かないと入れなくなるということで、3階のイベント会場へ移動。12時半から「最新のMCカートリッジを聴く」(音元出版主催、小原由夫氏)が始まります。
実は店主、混むのと時間を食うのが嫌で、イベント・試聴会といったものにはほとんど参加しません。むしろ、イベントに人が入って他が空いているうちにしめしめと一気に回るのが常套手段です。
でも今回はカートリッジ会メンバーと一緒ということもあり、色々聴き比べも悪くないと参加してみたのですが、ビックリ。まだ20分前なのにほぼ満員で席は無し、後方の立ち見もすでに満員で入るのに一苦労です。かなり甘かった..。
聴いたのは、47研究所,ZYX,PLATANUS,ACCUPHASE,GRADO,PHASEMATION。これでまだ前半の半分ですが、立ちっぱなしということもあり息苦しくなって出てしまいました。
さすがに各社代表選手を立ててきているだけあり、甲乙つけ難く、いずれも水準の高い再生で聴かせました。
小原氏は、これだけ大勢入ると聴く位置が悪い場合も多いので、空間表現よりは音色の違いを聴き取って欲しい、と言っていましたが、意外と音色よりは音場の広がり感などの違いのほうが聴き取れたように思います。
さて追い出されるように出た後はひとつ下の階へ。2階の大部屋は店主のお気に入りコーナー。小規模メーカーが多数、露天商のごとく机を並べて待っています。
スピーカーを使っての音出しは出来ない部屋ですが、ここでしかお目にかかれないメーカーがほとんどで、直接制作者に話を聴くことが出来るのがメリットです。
興味津々の試作品を展示していたのが47研究所。
「昨日工場から出来てきたばかりです」と言うのが、スイスのThales と同様の原理でトレースするリニアトラッキング・アーム。本生産品はさらに煮詰めて軽量化するとのこと。まだ少しかかりそうですが、是非製品化してもらいたいものです。
最も長居したのがAnalog Relax、あのKOI-OTO カートリッジのメーカーです。
今回は渾身の力作、トップエンドモデルのEX1 を初出品。KOI-OTO を超えた、クラシック・ファンをも振り向かせるカートリッジだそう。“いわゆる「いい音」の向こう側を知りたくありませんか?”というキャッチフレーズも決めてくれています。
この新作も含めた3モデルをヘッドフォンで一気聴き。どれも「濃い」「いい音」で、どれか選べと言われると困ってしまいます。
これも試聴されたい方はどうぞ、私どもにお申し付け下さい。
他にも、アクセサリーが豊富に揃うフルテック,ラックやプレーヤー・キャビネットのみならず、プレーヤーの試作機も展示していたマスタツオーディオ,高剛性アームのGLANZ,真空管アンプの上杉研究所,ZYX など、うちで得意な製品ばかり、いつまで居てもきりがありません。
4階はお馴染のメーカーが並びます。DS Audio,アイコール,トライオード,エアータイトなどですが、もうよく分かっているので表敬訪問のみで失礼しました。
最後は一番上の5階。
ラックスマンは新発売の管球プリ&パワー(CL-38uC&MQ-88uC)で、これも新しいFOCAL のスピーカー KANTA No2 を大変心地良い音で鳴らしていました。これは意外と良い組み合わせです。
楫音舎のPLATANUSでは朗報がひとつ。
現行カートリッジは2.0S ですが、これに弟分、3.5S が加わりました。
2.0S と同じ磁気回路をもちながら、自重とコストをスリム化、24万円とかなり購入し易い価格を実現しました。
コアレス・ストレートフラックス方式のカートリッジで気を吐くトップウィングでは、これらのカートリッジとともに台湾のTien Audio の新しいプレーヤー TT5 をデモしていました。これは現行のTT3 からのグレードアップも可能というコンセプトがユニークです。
SAEC には話題の新トーンアームWE-4700 が参考展示されるというので楽しみに見に行ったのですが、展示用ケースが間に合わないとかで残念ながら見られず。せっかくの機会で本体はあるのですから、何とかして見せてもらいたかった。2日目の日曜日には展示したのでしょうか?
気が付くとあっという間に6時。今回(土曜日)はとにかくどこのブースも混んでいて大盛況、活気に溢れていました。