店主日誌
折に触れての1枚 Occasional Listening(6)
2015年01月08日
もうあっという間に正月気分はどこかへ、という頃ですが、新年といえばウィンナワルツ。
店主はクリスマスの「くるみ割り」,大晦日の「第9」、とともに正月には私設ニューイヤー・コンサートとして恒例の1枚を選定しています。
これも面倒なときは、えい、またこれだ、とばかり超定番のボスコフスキー&ウィーン・フィル盤をちょちょっとかけて済ますことも少なくありませんが、今回はせっかくですのでもっと庶民的で、ある意味本当の地元ウィーン音楽を聴かせてくれる、アントン・パウリークさん(1901-75)にご登場願いました。
パウリークはオーストリア・ハンガリー帝国、現在のブラティスラヴァ(スロヴァキア)出身、アン・デア・ウィーン劇場,ウィーン国立歌劇場,ウィーン・フォルクスオーパーなどを股にかけ、オペレッタの世界で大活躍したまさにウィーン音楽の専門家でした。
ウィンナワルツ集は米VANGUARDを中心にいくつかのマイナーレーベルに入れていますが、これは店主好みのCONCERT HALL盤で題して「ウィーンの想い出」。録音からしても恐らくオリジナル録音と思われます。オーケストラはウィーン国立歌劇場管弦楽団。手持ちは仏ステレオ盤です。
多くのウィンナワルツ集はワルツで始まりますが、これはまず軽快にポルカシュネルの「うわ気心」でスタート、そのあとは、ワルツ「ロマンティックな人々」(ランナー),シャンペン・ポルカ,ワルツ「バーデン娘」(コムヅァーク),ポルカ「ハンガリー万歳」,ワルツ「スケートをする人々」(ワルトトイフェル),ポルカ「雷鳴と電光」,ワルツ「オーストリアの村つばめ」(ヨゼフ・シュトラウス),ワルツ「シェーンブルンの人々」(ランナー)、といった具合にワルツとポルカが交互に並んで飽きさせません(無記名はヨハン・シュトラウス作曲)。
ただのワルツ名曲集とはちょっと違うぞ的選曲、いいですねェ。
大好きなバーデン娘やスケーターズワルツが入っているのもお気に入りの理由です。