Massimiliano Marzi & Andrea Nardini
伊Audia Flight オーディア・フライト社は1996 年、マッシミリアーノ・マルジ氏とアンドレア・ナルディーニ氏により創設されたオーディオメーカー。
ローマから約70km、チヴィタヴェッキアというイタリア中部の港町に位置する自社工場で、全てハンドメイドにて製造されています。
イタリアのハイエンド・エレクトロニクスオーディオ・メーカーとして最も実績あるひとつと言っていいでしょう。
最近、まず最上級ラインとなるStrumento シリーズが上陸、久々のイタリア産ハイエンド・アンプとして話題となりましたが、いよいよその成果を反映した中堅クラス、FLSシリーズがリリースされました。
FLS1 はパワーアンプFLS4 と対になるプリアンプです。
その特徴を列挙すると、
AUDIA 伝統のハイスピード,広帯域フルバランス,デュアルモノラル回路設計
ゲインステージはデュアルモノラルのフルバランス純A級バイアス動作、オーディア独自のカレントフィードバック回路を採用。
カレントミラーの出力側は直接ダブルエミッタフォロワステージに接続されており、再生帯域0.3Hz〜500kHz (-3dB),スルーレート100V/μSというオーディアの特長であるハイスピード&広帯域の哲学をしっかりと受け継いでいます。
また、トランジスタもFLS1 専用に最適な組み合わせが採用されており、ドライブ段ではバイポーラ、出力段では高バイアスMOSFET を使った純A級動作となっています。
AUDIA 伝統の強力電源供給
電源供給用に3つのトランスが金属シールド内に格納され、安定かつ強力な電源供給を行います。
108VA トランスがアナログ増幅回路部、及びヘッドホンアンプ用に使用され、30VA トランスがロジックボードとリレー動作用に、そして3つ目の60VA トランスがデジタル・オプションボード用に用意されています。
増幅回路のメイン電源供給は最上級プリStrumento No1 mk2 のコンセプトが踏襲され、各チャネル20個の1500μF/63V コンデンサー(ZL型のESR コンデンサー)による超低ノイズ電源を採用。それらのコンデンサーの上には分厚いダンピングシートを設置して振動による音質悪化を抑止しています。
さらに、Strumento No1 mk2 同様プリアンプとしては高圧な+/-50V 駆動を出力回路に採用することにより、S/N感の改善や余裕あるダイナミックレンジを目指しています。
超低ノイズヴォリューム回路
音量調整には高音質電子ヴォリュームとして定評あるMUSES72320 を採用。
さらにロジックボードとの通信を直接ではなくISO7330 ガルバニックアイソレーターを経由させる事により、ロジック回路とアナログ回路部を完全分離。ロジックボード内で使用されているオシレータ等の影響をアナログ部へ一切伝えない構造となっています。
フェーズコントロール機能
フェーズ(位相)の切替スイッチが標準装備されており、各入力毎に個別設定が可能。
音質維持の為、位相の反転はゲインステージの出力を単純に反転させるのではなく、フェーズコントロール専用基盤を使用しています。
ボディにはスイス製の高級アルミキャストを使用。
CNC加工後にシャーシを手作業で研磨し、その後に最終表面加工を実施して美しい外観を実現。
回路は全て2mm 厚の基板を使用し、パターン部の銅材は一般的な厚みの約2倍に相当する70μ厚を使用しています。
高品位なヘッドフォン出力端子を搭載。
ヘッドフォンアンプには出力段に2個の10,000μF コンデンサを使用し、オーディア独自のカレントフィードバックをヘッドフォンアンプにも採用しています。
オプションで追加可能なMM/MCフォノボード,DACボード用のスロットを装備(オプションボードは近日発売)。
カラーはシルバーとブラックからお選び頂けます。
入力: RCA PIN×3、XLR/バランス×2
出力: RCA PIN×1、XLR/バランス×1
周波数特性: 0.3Hz〜500kHz (-3dB)
全高調波歪率(THD): 0.05% 以下
SN比: 110dB
入力インピーダンス: 47kΩ
出力インピーダンス: 5Ω
消費電力: 50W (定格)
外形寸法/ 重量: W450×H120×D380mm/ 15kg
付属品: リモコン