このところTEAC はアナログプレーヤーの良質なエントリーモデルを数多く発売、着実に実績を挙げており、その最新の成果はTN-4D に結実しました。
それをさらに推し進めてワンランク上の本格モデルとして発表されたのがTEAC 自慢のトップモデル、TN-5BB です。
価格としてはエントリー機の上限ほどとなりましたが、その内容は明らかにそれ以上、より高価な海外製プレーヤーをも脅かす存在となるでしょう。
TEAC は、いよいよ本気です!
SAEC社 とのコラボレーションによるナイフエッジ型軸受けを採用したトーンアームはS字型のユニヴァーサルアーム。弟分のTN-4D で初めて導入されましたが、これに改良を加え、水平方向の可動部には従来の1点のボールベアリングで支持する構造から、日本製の高精度ボールベアリングを使用して2点で支持する構造に変更されました。
アームの高さ調整も6mmの範囲で可能。ヘッドシェルの交換が簡単に行え、カートリッジの適合重量も14〜23g(ヘッドシェルの重さを含む)と十分な余裕があります。ここら辺は上級機の必要要件ですね。
インサイドフォース・キャンセラー機構も搭載、針圧もカウンターウェイトの目盛りで直読して調整が出来ます。
DC モーターによるベルトドライヴを採用。
プラッターの下部に設けられた光センサーでプラッターの回転数を検知し、モーターにプラッターの回転に応じたサーボを掛けて制御、高い回転精度を実現しています。
回転数は33 1/3,45,78 rpm の3スピード対応。
通常のRCA PIN 出力に加えて、この価格帯では初めてXLR バランス出力を装備。これは同時に発売されたフォノイコ、PE-505 との組み合わせで生きることになります。
内部損失が大きく重量のある36mm 厚のMDF(木質ファイバーボード)製のベースボードに、優れた剛性を持つ12mm 厚人工大理石を組み合わせた積層構造のシャーシを採用、プリンツ重量は約8.8kg にもなります。
トーンアームとプラッターは人工大理石のトッププレート、振動を発するモーターはMDF のベースボードへというように、それぞれ別々の構造体にマウント。不要振動のアイソレートを図っています。
さらに人工大理石とMDF の間には、和紙ターンテーブルシートで培った経験をもとに、試聴試験を繰り返して最適な響きのバランスを持つ厚みと素材の和紙をワッシャーとして採用。ゴムでも金属でもなく、和紙を使用して独自の制振を目指しました。
プラッターは適度な内部損失をもつアクリル製、20mm 厚で1.7kg の重量があります。
レコード盤の素材である塩化ビニールはマイナスの電荷を帯び易い素材ですが、アクリルも同じようにマイナスの電荷を帯びる性質をもち、帯電列上(※)でも比較的近い物質同士のため、直接擦れ合っても帯電し難い利点があります。
※ 帯電列物質を擦り合わせた際にプラスとマイナスの電荷の帯びやすさの順番に物質を並べた列。帯電列上で近い物質は直接擦れ合っても帯電し難く、反対に離れているほど帯電し易くなります。
電動式のアームリフターを採用し、手前の大型ボタンでアームの上げ下げを行えます。
演奏終了後は、非接触の光センサーにより自動でアームが上がるオートリフトアップ機能も搭載しています。これで助かる方も多いですね。
規格外の盤を再生する際には、オートアームリフト機能をキャンセルすることも可能です。
Ortofon 社製2M Red MMカートリッジを標準装備。
トーンアーム内部の配線にはPC-Triple C 導体を使用したSAEC 製ケーブルを採用。
駆動方式: ベルトドライヴ
回転数: 33 1/3,45,78 RPM、スイッチによる切替式
モーター形式: DCモーター
ワウ&フラッター: 0.1%以下
プラッター: アクリル製
トーンアーム: ユニバーサル・タイプS字スタティックバランス型
外形寸法/ 重量: W450×D351×H148mm(ダストカバー閉じた状態)/ 約10.5kg
特記事項: MMカートリッジ Ortofon 2M Red 付属