カナダのカルガリーに拠点を置くEMM Labs EMM ラボ社は1998年、エドワード(エド)・マイトナー氏によりプロフェッショナル・デジタル・コンバーターの設計会社として設立されました。
SONY はSACD 開発にあたってEMM ラボに開発協力を要請、マイトナー氏はSONY,PHILIPS とともに開発を進め、DSD 技術、SACD の実用化に大いに貢献しました。
Ed Meitner, EMM Labs
では、そんなデジタル技術の第一人者がどうしてアナログのフォノイコを作ったのでしょう? それも日本の光電カートリッジ、DS Audio 専用のものを。
これについてはいくつものオーディオ誌でも紹介されましたのでご承知の方も多いと思います。
マイトナー氏も多くの皆さんと同じように、あくまで個人的に、手持ちの沢山のレコードをもう一度本格的に再生してみようと思い立ち、現在の市場動向を調査、そこで評判の高いDS Audio の光電カートリッジに出会ったのでした。
すぐにDS Audio に連絡して研究用にDS-W2 を購入、試しに簡単なイコライザーアンプを試作してみました。
出てきた音は予想を遥かに超えて、リファレンスに使っていたMCカートリッジをも凌ぐものでした。
この結果によりDS Audio のユーザーもこの音を聴いたら従来のMC/MMカートリッジに戻れないと確信、当初、光電カートリッジとMM/MCカートリッジ両用のフォノイコを開発するつもりであったのを変更、光電カートリッジ専用フォノアンプに切り替えたのでした。
内部は拍子抜けするほどシンプル。
カスタムメイドのセラミック基板によるアンプ回路はシグナルパスを最短とすべく設計され、表面実装部品を多用しているので余計コンパクトですが、そもそも光電カートリッジは出力が十分大きいうえにイコライジングもわずかで済むので複雑な回路は必要無いのです。
電源部は金属シールドに覆われたブラックボックスで、「X POWER SYSTEM」と銘の入ったパルス電源としています。
DS Audio の各フォノアンプとは全く正反対の手法でまとめられているのは大変興味深いところです。
さて、あなたはどちらを選びますか?
試聴ご希望の方はお知らせ下さい。ご用意してお聴き頂けます。
入力: RCA PIN×1
発電方式: DS Audio 光電型カートリッジ専用
出力: RCA PIN×1、XLR バランス×1
定格出力: 500mV(RCA)、1V(XLR)
出力インピーダンス: 150Ω(RCA)、300Ω(XLR)
外形寸法/ 重量: W438×H102×D381 mm/ 12kg