Audio Design オーディオデザインは、大藤 武氏が2004年に創業したオーディオ・メーカー。
大藤氏は大手半導体メーカー等で集積回路開発に従事、とくにIC基板の製造に関するフォトリソグラフィ技術の専門家として日・米の先端技術開発プロジェクトでリーダー的役割を果たし、関連技術研究で工学博士号を取得しています。
華々しくもちょっと特殊な経歴をもつ彼が、ミクロの最先端技術から、なぜオーディオといういわばマクロのローテク技術へと転身を図ったか? 小学校の頃から秋葉原部品街に通う大の自作派が、再び古巣のオーディオに戻って起業したのだそうです。
元々理論派の大藤氏が作る製品は特性に優れるのはもちろん、使い古された回路をただ踏襲するのではなく、独自の視点で常に新たな技術を導入、オンリーワンの魅力を備えています。
DCEQ-200 はオーディオデザイン社フォノイコの第3世代。
先代機DCEQ-1000 は世界でも類を見ない新開発の電子式連続可変容量回路を搭載(MMカートリッジ専用)、液晶モニターで特性を監視しながら調整が出来るという、ほとんどプロフェッショナル仕様のハイエンド・モデルでした。
DCEQ-200 はその連続可変容量負荷回路を踏襲、フルディスクリート構成の完全バランス型回路を搭載。一般的なユーザーにも使い易い機能に絞り、価格もDCEQ-1000 の半分に抑えられました。
MC ヘッドアンプとRIAA アンプによる2段構成の完全バランス回路
ヘッドアンプは8パラ高GmFET 採用、RIAA アンプはNFB の改良型を新開発。
全てディスクリート構成、完全バランス構成アンプ。
RIAA アンプは新開発のバランス変換回路を採用、ロータリースイッチ切り替えで、フルバランス、またはアンバランス/バランス変換アンプとして動作する合理設計となっています。
入力はXLR 端子はもちろん、RCA 端子でもバランス受けが可能です。
MMカートリッジの高域共振をキャンセル出来るマイナス容量負荷回路を搭載
MMカートリッジ実装状態で、フォノケーブル(シールド線)の容量やフォノイコ初段増幅回路のFET 自体の入力容量も考慮して、マイナス容量負荷の設定を含め -100pF〜300pF の連続可変で設定が可能。
MCカートリッジには3〜300Ωの入力インピーダンス切替え
MCカートリッジの入力インピーダンス切替えは、フロントパネルのノブにて3/10/30/100/300Ωで選択が可能。
信号経路には磁力を発生するリレーを排除し機械式ロータリースイッチを採用
回路形式: NF 型イコライザー
入力: RCA×3, XLRバランス×1
出力: RCA×1, XLRバランス×1
全高調波歪率(THD): 0.0015%(1kHz)
SN比: MM:90dB (5mV入力, A)、MC:79dB(0.5mV入力, A)
RIAAカーブ偏差: ±0.5dB
入力インピーダンス: MM: 47kΩ、MC: 3/ 10/ 30/ 100/ 300Ω
入力キャパシタンス: MM: -100pF〜300pF(連続可変)
外形寸法/ 重量: W431×D370×H106mm/ 11.6kg