このアンプのフロントパネルに誇らしく刻まれるのは、“Professional Tube Control Center”、スタジオ・プロフェッショナル達のためにデザインされたプリアンプなのです。
ティム・デ・パラヴィチーニは元々、プロ向けの機材のカスタムデザインからキャリアをスタートさせており、現在でもそれは彼の活動の最も重要な位置を占めています。というより、世界的に評判の高い彼の機材を必要とするプロ達が後を絶たないと言ったほうがよいでしょう。
一般に優れたプロ用機材が必ずしも優れた家庭用とはならない、とはよく言われることですが、ことパラヴィチーニの作に関しては当てはまらないようです。
リファレンス・モニター用として正確さは当然として、それだけではない生きた音楽の生々しさを伝えるところに彼ら、プロフェッショナル達は唯一無二の価値を見出しているのです。
時として生の音より生々しい、とも言われる所以です。
’King of Tube’の異名をとるパラヴィチーニは、増幅素子として主に真空管を使いますが、それは決して、温かみがあるとか柔らかいなどといった表面的な理由によるものではなく、純粋に真空管の増幅素子としての優位性を認めてのことです。
実際、管球アンプらしい音を期待して聴くと切れ込みの良い熱くハイスピードな音にビックリさせられる、というのも彼のアンプではよく言われることです。
こうした単なる音楽鑑賞用だけではない、きれいごとだけでは済まない、このアンプの生きた音楽を再現する力を、ミュージシャンやスタジオ・エンジニア達はその鋭敏な感性で嗅ぎ取っているのです。
このアンプでさらに嬉しいのは、いかにもパラヴィチーニらしい、フォノ・ステージの搭載。
しかも付属などではない、単体としても最上級のもので、彼一流の新しいMC昇圧用カスタム・トランスやRIAAイコライザーにはカスタムワインディングのコイルが使われたりと、このステージだけでも随所に名人ならではの手法が見られます。
ご自身のリスニングルームにこの912を導入して音楽を聴くことの出来る方の、何と幸せなことか。
なお912 は完全な受注生産で、発注を受けてから本国で手作りされますので、納期はその都度確認致します。
シルバー仕上げはオプションの受注生産となります(注文時に指定)。
使用真空管: PCC88s(7DJ8)×5
入力: Phono×2(MM/MC)、RCA PIN×3、XLR バランス×2
出力: RCA PIN×2、XLR バランス×2
SN比: 90dB(ラインアンプ)
消費電力: 30VA
外形寸法/ 重量: W490×D270×H135/ 13kg
付属品: リモコン(音量調整のみ)