FIDELIX フィデリックスは中川 伸氏が1976年に興したメーカーですから、すでに50年近い実績があります。
生まれながらの技術屋である中川氏の、アナログからデジタルまで、またオーディオだけに留まらない幅広い技術力・経験とアイデアによって生み出される製品は他に類を見ない独創性を有しています。そして何よりその独創性が身となり音となって見事に結実していることは、このメーカーの特筆すべき点です。
フィデリックスは1976年にMCヘッドアンプLN-1 でスタートしました。
その後、MC用機器としてはLN-2,LZ-12MC,MCR-38,LEGGIERO(現行フォノイコ)と続き、今回、MCヘッドアンプとしての集大成となるのがこのLIRICO で、長い経験で得たノウハウが投入されています。
LIRICO は、現在、単体製品としてはとても珍しいMCヘッドアンプ(イコライザー回路は有しません)。機能としてはMC昇圧トランスと同じ働きをしますので、フォノイコライザーアンプのMM入力に繋いで使います。
驚異のローノイズ設計による、静けさ
現行製品では世界最高レベルの超ローノイズとなる-156dBV(RIAA+IHF-A by Average Response)、等価雑音抵抗6Ω、入力換算雑音密度0.32nV√Hz@1kHz は、確かなノイズ理論に裏打ちされての達成です。
貴重なJFET を用いたディスクリート回路
オールJFET でGS Direct 方式による約26dB の正相増幅を行います。
微少信号はデリケートなので、出来るだけ速やかに増幅素子へ伝達しなくてはなりません。カップリングコンデンサーや抵抗を介在することなくGate とSource に直接伝えるのがこのGS Direct 方式です。
使用FET は性能的にも音質的にも定評のある貴重な東芝製超ローノイズ品(廃品種)を使用。ノイズやゲインや最低動作電圧の左右差を無くすため、デバイスは厳密に選別します。結果、使えるものは50%、別なあるものは10% というシビアな基準で選別されています。
入力インピーダンスはLEGGIERO で好評なギガオーム(GΩ)受け
入力インピーダンスは基本、ギガオーム(GΩ)受けですが、装置との相性や好みによって一般的な330Ω も底のディップスイッチの1番と3番をON にすることで選択可能。
充電バッテリー駆動
ニッケル水素の006P 型充電池を6個を使い、動作時はダイオードにより左右のアースまでもが完全独立となる独自構成。また、充電器は両切り(AC 電源線2本とも遮断)スイッチを使うことで動作時は電源ラインからのノイズを完全にシャットアウト。満充電で約20間使用可能です。
JFET,PRP製抵抗,PPSコンデンサー,シャーシなど主要パーツは非磁性。
入力: MC
ゲイン: 約26dB
出力インピーダンス: 1.8kΩ
外形寸法/ 重量: W120×D200×H50mm