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[CD-R・2枚組] ORGANUM マタチッチ&プラハ放送響 '67年ライヴ/ブルックナー 交響曲第8番

販売価格: 2,270円(税別)

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[CD-R盤・2枚組]
 
ブルックナー/交響曲第8番 ハ短調(ノヴァーク版)
 
ロヴロ・フォン・マタチッチ指揮 プラハ放送交響楽団
 
2枚組。マタチッチ/プラハ放送響によるブルックナーの交響曲第8番。
1967年プラハのチェコ放送第1スタジオにおいて、ラジオ放送のため聴衆を入れずに行った演奏録音。
ドイツ在住ロシア人コレクターからの提供音源で、エアチェックではなく放送局保管テープのコピーと思われる。
 
オリジナル音源の音質は、モノラルながら優秀。ダイナミックレンジ、周波数レンジも十分に広く、ブルックナー作品にふさわしいスケール感、適度に残響を伴った美しい録音。
但し若干低域過剰で高域が低下気味だったため、イコライジング等で微調整したが、いずれにしても一般的な鑑賞では不満の無いレベル。
ステレオでないことが惜しまれるが、当時の西欧諸国では、特に英国やフランスでステレオ録音・放送が普及していたものの、チェコを含む東欧諸国でステレオ録音が試験的に導入されたのは1960年代末頃と言われ、これは致し方ないところ。
なお、当ディスクの演奏は、20年ほど前に海外レーベルでCD化されていたが、疑似ステレオ化された上、さらにステレオ的広がりを狙ったのか位相も操作するなど、却って定位が不安定で音質もバランスも悪化した改悪盤だった。結果的に、当ディスクで初めて演奏本来の姿が再現されたと言える。
 
マタチッチは、1947年から断続的に始まった英EMI (HMV/COLUMBIA)とのレコーディング契約が1962年に終了(例外的に1929年にクロアチアの作曲家作品を録音、1974年にリヒテルとシューマン&グリーグの協奏曲を録音している)、一方で1959年頃から、恐らくスポット契約でチェコ・スプラフォンに数点のレコーディングを行い、この中でブルックナーについては、チェコ・フィルと交響曲第5番(1970年11月)、第7番(1967年3月)と第9番(1980年12月、これはライブ録音で当初からLP発売を計画したのかは不明)の録音を行ったが、残念ながら第8番が欠けていた。
当ディスクに聴く当作品の録音は、第7番スタジオ録音の半年後に当たり、スプラフォン録音の欠落を補うものとして貴重な存在である。なお録音日が9月であることは間違いないが、12日は放送日であって録音日ではないという情報もあり、この点はやや不確定である。
 
マタチッチによるブルックナーの交響曲第8番は、後述するように現在5種類の録音の存在が確認されているが、内訳はNHK 交響楽団とトリノ・イタリア放送交響楽団がそれぞれ2種(トリノ・イタリア放送響による2種の演奏は同一との説もある)、残りの1つが当ディスクの録音となる。いわゆる独墺系以外の団体との録音が大半で、プラハ放送響は純粋なドイツ系ではないものの、広い意味で独墺文化圏の団体を指揮した当ディスクの録音は貴重である。

プラハ放送響は1926年に設立された放送オーケストラとしては歴史のある団体。
チェコ国立放送局に所属しチェコ・フィルに次ぐ存在と言われる。
当ディスクの演奏を聴く限り、弦も管も安定しており、ドイツの放送交響楽団のランキングに入れても中位以上のレベルと思われ、マタチッチの(独特の?)指揮にもブルックナーの語法にも十分対応しているようだ。この辺りは幅広いレパートリーを要求される放送オーケストラならではの柔軟性を感じる。
 
ここで注目すべきは演奏時間。
残された5種の録音の中では最も早い時期の演奏にもかかわらず、トータルの演奏時間は最も長く、有名な1984年のN響とのライヴより11分も長い(各楽章について1〜4分程度長い)。
指揮者が年齢を重ねるとテンポが遅くなることはよくある傾向だが、マタチッチの場合は逆で、最後のトリノ・イタリア放送響との録音が最も演奏時間が短い。ここで想像されるのは、プラハ放送響と録音したチェコ放送第1スタジオは、放送スタジオとしては例外的に残響が豊かな一方、N響のNHK ホールやトリノ放送響のトリノ・イタリア放送協会オーディトリアムは響きが豊かとまでは言えず、マタチッチは響きを考慮した上でテンポ設定をしていたのではないかということ。
有名なエピソードだが、チェリビダッケがベルリン・フィルの暫定的首席指揮者時代、フルトヴェングラーに対して、ある作品のテンポ設定を訪ねたところ(他の指揮者の質問をチェリビダッケが聞いていたという説もあるが)、フルトヴェングラーが「それは(会場の)響きによる」と回答、チェリビダッケは「私にとって天啓だった」と感想を述べている。
譜面のテンポ(メトロノーム)指示にとらわれることなく、会場の音響も考慮してテンポ設定を行うことをマタチッチも実践していたと思われ、少なくとも1967年時点でマタチッチのブルックナー解釈は完成しており、年齢を重ねても変化がなかったと考えられる(それゆえ1967年3月、ブルックナー交響曲第7番のスタジオ録音が高い完成度を持っていたと言える)。
当ディスクに聴く第8番は他の録音に比べてテンポが遅い分、更に残響が豊かな分、マタチッチ本来のスケールの大きさがより際立っているように思われる。
 
ロヴロ・フォン・マタチッチは、上記のようにブルックナー交響曲第8番のスタジオ録音を残さず、当ディスク以外に、1975年と1984年にNHK 交響楽団と、1983年11月13日と18日(同一?)にトリノ・イタリア放送交響楽団とのライヴ録音が残されている。
 
 
※総合カタログは下記を参照下さい:
https://www.ne.jp/asahi/classical/disc/index2.html
 
*【ご注意】
当商品はCD-R盤です。CD-Rは通常の音楽CDとは記録方法が異なり、直射日光が当たる場所、高温・多湿の場所で保管すると再生出来なくなる恐れがあります。
また、CD・DVD・SACD再生兼用のユニバーサルプレーヤーや、1990年代以前製造の旧型CDプレーヤーなどでは再生出来ない場合がありますが、メーカーや機種の異なるプレーヤーでは再生出来ることもありますので、複数のプレーヤーをお持ちの場合はお試し下さい。

レーベル: ORGANUM
品番: 110141L
Stereo/Mono: Mono
録音: '67.9.12、チェコ放送第1スタジオ(プラハ)、ライヴ録音

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