クリアオーディオの技術研究・開発に掛ける熱意は半端ではありません。
それは、現在も研究・開発の陣頭に立つ創立者のペーター・スヒー氏(関係ありませんが、店主の伯父にそっくりなんだなあ)はもちろん、代表のロバート・スヒー氏の語る言葉からもひしひしと感じられます。気になるところがあれば徹底して検証して実証、気の済むまで追及して解決しないと済まないようです。
このテスト・レコードもそんな中から生まれました。
自分たちの必要性から生まれたことは容易に想像出来ますが、目的はこれによってユーザーに、自分たちが心血を注いで作ったプレーヤーの性能を最大限引き出してもらうことにあります(もちろんクリアオーディオだけでなく、どんなプレーヤーにも使える汎用テスト・レコードです)。
ですから内容も高音質な音楽トラックを入れたような生半可なものではなく、まさにプロ仕様。
“Trackability トラッカビリティ”とは懐かしい、かつて米国フォノカートリッジの代名詞だったSHURE が自社カートリッジのトレーシング性能の優秀性を表現するために謳った造語。すでに誰もが知るこの言葉を冠したテスト・レコードはトレーシング(トラッキング)性能を検証、それにより機器の最適化をするために制作されました(本国ではこれを含めてテストレコード・シリーズが4枚あります)。
内容は以下のとおり:
Side 1
トラック1: 左チャンネル/ 1kHz 0dB
トラック2: 右チャンネル/ 1kHz 0dB
トラック3: MONO水平信号/ 1kHz 0dB
トラック4: 50μm トレーシング能力テスト/ 333Hz 水平信号
トラック5: 60μm トレーシング能力テスト/ 333Hz 水平信号
トラック6: 70μm トレーシング能力テスト/ 333Hz 水平信号
トラック7: 80μm トレーシング能力テスト/ 333Hz 水平信号
トラック8: 90μm トレーシング能力テスト/ 333Hz 水平信号
トラック9: 100μm トレーシング能力テスト/ 333Hz 水平信号
トラック10: 50μm トレーシング能力テスト/ 333Hz 水平信号
トラック11: 60μm トレーシング能力テスト/ 333Hz 水平信号
トラック12: 70μm トレーシング能力テスト/ 333Hz 水平信号
トラック13: 80μm トレーシング能力テスト/ 333Hz 水平信号
トラック14: 90μm トレーシング能力テスト/ 333Hz 水平信号
トラック15: 100μm トレーシング能力テスト/ 333Hz 水平信号
Side 2
トラック1: 無信号
トラック2: 3150Hz/ MONO水平信号
まずSide 1,トラック1〜3 で左右個別とモノラルでの信号再生,バランス・チェックを行ってから、中心となるトラック4 からのトレーシング能力テスト(トラッカビリティ・テスト)に移ります。
トラッカビリティ・テスト・トラックは全部で12あり、外周側の6トラックと内周側の6トラックでそれぞれグループとなっていて、各6トラックは振幅幅が50μmから100μmまで順番に大きくなります。
テストはトラック順に再生していって問題が無ければ次のトラックへ、歪みや音像のブレなど不具合があれば針圧,VTA,アジマス,オーバーハング,アンチスケーティングなどプレーヤー各部を点検,再調整、もう一度再生してみてクリア出来たら次のトラックへ、というように進んでいきます(各トラックはそれぞれ30秒間の再生)。
Side 2,トラック2 はクリアオーディオのAdimuth Optimizer(現在販売しておりません)を使ってアジマス調整、及びワウフラッター・メーターを使ってワウ・フラを測定するのに使用します。