SANSUI サンスイのかつての名機のひとつ。精悍なブラックフェイスはサンスイのアイコンでした。
DC〜200kHzという現在でもトップクラスのウルトラワイドレンジを誇るDCプリメイン・アンプです。
当時のプリメインですからプリ部以上に重要視されるのがフォノイコライザー部。
初段カレントソースつき差動1段、バッファーはアクティブロード付きA級増幅1段、そして純コンプリメンタリーSEPP出力段のディスクリート8石構成という本格的なものです。アナログ・レコードを楽しむ方にはもってこいでしょう。
パワーアンプ部は、初段デュアルFET差動2段、カレントミラーつき電流差動プッシュプル、3段ダーリントン接続のDCアンプで、電源には左右チャンネル独立で大型トランスが2基備わっています。
その他、高精度4連ディテント・ヴォリュームの採用、プリ/パワー部切り離し機能を有しています。
全盛期のサンスイ・アンプとJBLスピーカーでジャズのレコードを聴く、という王道を今一度味わってみてはいかがでしょう?
劣化パーツを交換し、フルオーバーホールを施してあり、この費用でほぼ5万円かけています。
年数が経ちますので細かい擦れ,キズなどは散見されますが目立ったものはなく、美品の部類に入ります。
以下、発売当時の瀬川冬樹氏のレヴューを引用します:
「AU607とこの707とで、サンスイのアンプは永い間の不調から完全に立直ったばかりでなく、同クラスの優秀製品を明らかに追い越す見事な出来栄えをみせた。
707と607の音は基本的には同じ延長線上にある。ひと言でいえば音のクリアーなこと。しかも、一聴してクリアーなアンプの中に、えてして硬質で弦やヴォーカルなどを硬く鳴らすのがあるが、サンスイの新シリーズではそういう欠点がなく、たとえばピアノの打鍵音やパーカッションの力強さを、芯をしっかり失わずにしかも艶めいて実に美しく鳴らしながら、弦や女声でのしっとりした感じも十分に聴きごたえがある。
607では中〜高域の音の艶がいくらか過剰すれすれに鳴ることもあったが、707では中低域から重低音域にかけての基音の支えがしっかりしているために、どんな曲でもバランス上の破綻もなく見事に鳴らす。
新デザインも音と同じくとてもシックな出来栄えだと思う。」(STEREO SOUND誌より)