ViV Laboratoryは鎌倉に居を構える独創の工房メーカー。
フローティング・ピヴォット&完全ストレート構造のトーンアームで一躍注目を浴びました。
とにかく名前がいい、国内製品では最近の「エアフォース・ワン」と双璧だと店主は勝手に考えています。欧米でもさぞ喜ばれたことでしょう。
ネルソン・ホールド(羽交い絞め技)、プロレス好きには馴染み深い言葉(でもちょっと古いか)ですが、この名称、まさに「名は体を表す」で、ヘッドシェルが取り付けるカートリッジにネルソン・ホールドをかけているところがミソです。
ViV Lab にとって理想的な構造を採ったところ、ちょうどこの荒業をかけることになったというわけです。
カートリッジ“羽交い絞め”の構造図
通常、カートリッジをヘッドシェルに固定するにはカートリッジの両脇に2つある穴のところで固定ビスを締めて留めますが、これではビスの応力が2箇所の固定穴部分に集中し、肝心な発電機構のあるカートリッジ中央部分は浮いたような状態となる、と同社は解析。
そこでその中央部を、上から1本のビスでカートリッジの「背中」を押すような形で1点支持、両脇のビスで絞め上げながら中央のビスで背中をグリグリ押す、ネルソン・ホールドでカートリッジのギブアップとなったわけです(上図参照)。
もうひとつ独創的なのが、指掛け部分。
「え?指掛けなんて着いてないよ」と言うなかれ、一角獣のように真っ直ぐ先端に突き出した部分が指掛けなんです。
これで別パーツで軟な指掛けをくっつけることもなく、さらに完全左右対称となるために、同社の同じく完全左右対称のストレートアームには必須の形状なのです。
その他にも、
- リード線には、極低温処理済の4N純銀線を採用。
- ダブル・ロックピンで、取付時のガタを防止。
- 高信頼性のロジウムメッキ端子採用。
もちろんユニバーサル・タイプのヘッドシェルですから、汎用としてどのユニバーサル・アームにも使えます。
材質:アルミニウム、全長:97mm、重量:12.5g