販売価格は、どうぞご相談下さい。
KRONOS AUDIO クロノス・オーディオはカナダ・ケベック州、モントリオールに2010年、Luis Desiardins氏が興した新しいターンテーブル・メーカーで、設計も彼により行われています。
処女作は250台限定生産のフラグシップKRONOS でしたが、そのエッセンスを盛り込みよりシンプルに身近なものとして今年登場したのがこのSPARTA。早くも日本上陸となりました。
KRONOSのプレーヤーの特徴はまずご覧のとおり、プラッターが上下2段に2枚あるところ。
となると、私もそうでしたが大半の方は「なるほど、下の1枚は重量を増してフライホイール効果を狙ったな」と考えるでしょう。
ところが違って、上と下のプラッターの軸は繋がっておらずまったく別個で、駆動するモーターも独立してそれぞれに1個ずつ、計2個備わっています。
では下のプラッターは何の意味があるのかというと、回転方向を正反対にすることで、プラッターが回転するときに生じるねじれ方向の慣性モーメントが上と下で打ち消し合ってゼロになるのを狙っているわけです。
そのために普通のプレーヤーの回転系がそっくりふたつ分あるわけですから何とも贅沢な構成ですが、重量級のプラッターが回転する際の回転モーメントは相当なものと考えられ、感度の良い吊り下げ式サスペンションを特徴とするSPARTA ではこの機構はある意味必須だったと考えられます。
設計者のDesiardins 氏は振動工学のエキスパートだそうですから、二重双方向回転プラッターと吊り下げ式サスペンション構造がこのプレーヤーのキーポイントと言って間違いないでしょう。
因みにこの二重双方向回転プラッターは、まったく初めての試みではありません。
例えば我が国の47研究所のアナログ・プレーヤーは、上下2枚のプラッターに1本のベルトを巧妙にかけることで、1個のモーターで2枚のプラッターを正反対に回転させて、慣性モーメントの打ち消し効果を上げています。
一方SPARTA はそれぞれのプラッターに専用の駆動モーターを備えて、正確な電子制御によって完全な効果を得ています。
北米で独自の特許を申請中とあるのは、恐らくその辺の違いからくるものではないでしょうか。
デザイナーのパーフェクショニズムを感じさせる、久々の力作の登場です。
推奨アームはHERENA トーンアームですが、ご希望のどんなアームのためにもアームベースをカスタムメイド致しますのでご相談下さい。
セッティングには都内及び近県では店主が直接うかがって行ない、遠方の場合でもメーカー(輸入元)の担当者がうかがって行なわせて頂きますので、どうぞご安心下さい。詳細はお打合せにて。
HELENA トーンアーム 900,000円(税別)
HELENA 用アームベース 80,000円(税別)
Luis Desiardins