スタジオグレードのリファレンスとしてEAR プリアンプの頂点に君臨する912、そしてパラヴィチーニ自身の名を冠するソリッドステート・スーパープリアンプParavicini 312。
ともにEAR プリアンプの頂点を成すモデルですが、これらのために設計されたMC昇圧トランスを単体製品に仕立てたのが、このMC4 です。
つまり、「トランス名人」ティムがコストを度外視して持てる技の限りを尽くし、気の遠くなるほどの試作を重ねて、最高のMC昇圧トランスとして生み出したモデルということです。
確かに高価ですが、この事実だけでもその価値をご理解頂けるとものと思います。
入力負荷抵抗は4通りの中から選択が可能。
これももちろん912 譲りなのですが、トランスを片チャンネル2個、計4つ備えてそれぞれ2つの出力タップを用意することで実現しています。これは実に贅沢な仕様です。
このトランスのカタログには、(困ったことに)他の高級MCトランスに当然のこととして載っているような、巻き線コアにどんな素材を使った、巻き線にどんな素材を使った、巻き線は何巻をして効率を上げた、筺体はどんなに強固で、かつ電磁波を寄せつけない、等々の謳い文句が一切載っていません。
このことでティムに、「そこらへんは、どうなっているの?」と訊いてみて下さい(実際には、もう訊くことは出来なくなってしまいましたが…)。
多分彼は、幾分ビックリしたような顔をしてこう言うでしょう、
「そんなことよりも、とにかくこれで音楽を聴いてみて。Listen, and you'll see!」
それは多分、ちょうど腕に覚えのあるシェフが、
「どこ産の牛を使ったとか、誰さんが有機栽培した野菜を使ったとかもいいけど、まずとにかく、うちの料理を食べてみて!」
と言っているのに似ていると思うのです。
店主おススメ!