ロングランを続けているDelphi MkVI が進化して、Gen-2 (ジェネレーション2)となりました。
ORACLE AUDIO TECHNOLOGIES オラクルはカナダ・ケベック州、メーゴグでマルセル・リーンデュー氏により、1979年に設立されました。
すでに36年の歴史を誇る、カナダで最も由緒あるオーディオ・メーカーと言ってよいでしょう。
当初彼は優れたターンテーブルを輸入することを考えていましたが、納得のいく製品が見つからず、結局自身で創り出すことを決意、これが現在まで代を重ねながら連綿と続くDelphi モデルであり、オラクル社の誕生でもありました。
歴代Delphi モデルの中でも先代のMkVはひとまず完成の域に達したと考えていたのでしょう、'96年から12年ものロングセラーを続けました。
しかし当時のメカニカル・デザイナーであったジャック・リーンデュー氏はまだ多くの改良のアイデアを持っていました。それらを盛り込んでいよいよ6代目として生まれたのがDelphi MkVIです。
中でも最も効果的な改良点が、MVSS(Micro Vibration Stabilizer System)と呼ばれるサスペンション・システム。
MkVまでは特徴的な3点支持のスプリングによるサスペンションを搭載していましたが、MkVIではこれを踏襲しながら、加えて低粘度シリコン・オイルによるオイル・ダンプを併用して、従来の高感度サスペンションのメリットを活かしながら、そこに生じた振動をいち早く効率的に減衰させることに成功しました。
MVSS 支柱の内側にあるのがダンピングのためのオイルバス
ベアリングも大きく進化。
従来の2点ブッシュ・システムは精密ナイロン・スクリューによる6点ベアリング・システムに変更されました。
また、ボトム・プレートは優れた耐熱性と強靭さを兼ね備えたポリアミドイミド(PAI)に変更され、プラッターの安定した回転に貢献するとともに、回転によって発生するノイズを軽減しています。
初代から変わらぬ、3本足を伸ばしたサブシャーシーにも大きな改良が加えられました。
3本の足を短く切り詰め、センター部を大きく取ることで、カウンターウェイトの大型化とも相まって、全体の重量配分が改善され、レゾナンス・コントロールが向上、さらに幅広いトーンアームへの適応を可能にしました。
トーンアームのマウントリングは、質量を35%増したことでその強度を高めています。
モーターに関しては、S/Nと安定感に優れたスムースな回転を保つために、Delphi MkVでオプション設定されていた電源TURBO POWER SUPPLY を標準装備としました。
また、脚部も変更、素材としての良さが認められたPOM(=DELRIN、デルリン)を採用したDELRIN FEET SYSTEM には高さ調整機能も付きました。