レコードから音を拾うフォノカートリッジに於いて我が国は世界屈指の技術・ノウハウを誇りますが、その中でも最高峰と目されるのがMy Sonic Lab マイソニック・ラボの製品群です。
Hyper Eminent は、1号機Eminent の経験からさらなる完成度を得るために、カートリッジベースの振動モードの追求と振動系のサスペンション機構の精度追求を目指しました。
そのためにベース部にはより硬度の高い超々ジュラルミン(A7075)を採用、さらに単一素材による固有共振を排除するために、表面硬化処理を施すことで更なる強化策を講じたサンドイッチ効果を導入しました。
しかし、元々が航空機用であるため強度重視の材料であり、メッキ性が良くないため、表面処理には困難を伴い歩留り率(良品率)は極めて悪くなり、結果的に高価な部品にはなりますが、今回の目的のために特殊なイオン硬化処理法を導入し、表面硬度Hv1500 以上を実現しました。
一方で、振動系の支点の確立では多くを語られているわりには、不安定要素が多いため、スタイラスをセミ・アッセンブリーの形で入手し、社内にて再加工を施して組立て管理するという、何とも手間のかかる方法で製品の安定化を図っています。