レコードから音を拾うフォノカートリッジに於いて我が国は世界屈指の技術・ノウハウを誇りますが、その中でも最高峰と目されるのがMy Sonic Labマイソニック・ラボの製品群です。
処女作のEminent から10年、主宰者であり製作者、松平氏の掲げるモットー「内部インピーダンスは低く、出力エネルギーは高く!」は変わることがありませんが、その究極の目標への探求は留まることを知りません。
常に新しいアイデア,アプローチが湧き上がってくるようです。
同社最新の成果は最高峰のSignature Gold のさらなるリファイン。
一体、Signature Gold にこれ以上何かすることがあるのか、と誰もが考えていましたが、松平氏の追求には限界が無いようです。
今回のGold からの変更点は、ベース部の素材とカンチレバーの素材。
クルマで言えばシャーシとサスペンションの素材見直し、とでもいいましょうか、非常に重要な部分であることがお分かり頂けるでしょう。
Signature Platinum ではベース部をチタン製、カンチレバーをSignature Gold の超ジュラルミンからボロン製へと変更しました。
特にチタンは材料コストの上昇を伴い、切削加工の極めて困難な素材ですが、高精度の加工を行い、さらに表面硬化加工(ブラックIP加工: 金属のイオン蒸着による表面処理)を施しています。
ボロン・カンチレバーは、同社ではすでにUltra Eminent BC で採用した実績があり、今回はチタンベースとの組み合わせで再びの採用となります。
こうしたところから、今回Signature Platinum の目指すところは、一切の曖昧さを排した緻密でハイスピードな再生といえるでしょう。