Clearaudio クリアオーディオの上級機は、現在欧米ではむしろ主流になってきていると言ってよい、四角いプリンツ(本体キャビネット)を持たない所謂スケルトン・タイプです。
このトップモデルも現代的なその形状を採っていますが、他と違うのは、すべてにおいて妥協を排し、考え得る技術・技法を理想的な形で盛り込んで製品化しているところです。
Innovation の最大の特徴である、正三角形の頂点を結ぶ「三菱型」形状のベースシャーシは、Panzerholz というウッドベースの高密度複合素材をアルミニウム・パネルで挟むサンドウィッチ構造を2段重ねていますが、さらにその間に3点接地のスペーサーを介して空間を設けることで、その2段の構造的アイソレーションを図っています。
そのためクリアオーディオの中では大きめなサイズですが、それでもあまりに非現実的なものになることなく、スマートな製品に仕上げられているのはさすが一流メーカーの手になる所以、馬鹿正直な物量主義とは無縁なのです。
もうひとつ、プラッターも最上機種ならではの特別な仕様。
メインプラッターが70mm 厚のPOM 材であるのはCompact とも共通しますが、このベース部分に15mm 厚のステンレス製のサブプラッターを重ねて全体で85mm の厚さをもつ超重量級プラッターを構成しています。
少し厚手のステンレス板を持ったことのある方ならお分かりと思いますが、とにかく重い。15mm もの厚さで直径30cm もあるとなると、その重量は相当なもので、8.35kg もあるそうです。これははるかに分厚い70mm のメインプラッターの重量6.05kg よりずっと重いのです。
つまり、単に2種類の素材を重ねて響きのコントロールをしているだけでなく、むしろこの重たいサブプラッターがフライホイールとしての役割を担い、より滑らかな回転を図っているわけです。
でもそれだけ重いプラッターを支えるとなると、スピンドル・ベアリングの負担は大変なものであろうと容易に想像されます。
そこで頼りとなるのがクリアオーディオ自慢の特許技術、CMB(セラミック・マグネティック・ベアリング)。この詳細は下の画像の説明図をご覧ください。磁石の反発力を利用してスピンドル・ハウジングをフローティングし、ベアリングの負担を軽減。
スピンドルは高い硬度を誇るセラミック製で太い柱のように立ち上がり、これに上から筒状のスピンドル・ハウジングが被さる形で、いわゆるインバーテッド・ベアリングとなっています(写真2 参照)。
そしてこれらのへヴィーな回転系を力強く、かつ滑らかにドライブするのが、OSC、すなわち光学センサーを利用して常時リアルタイムで回転を監視・制御する、高トルクDC モーターです。
本体フレームの仕上げに、エレガントなウッド仕上げもお選び頂けます(受注生産、ブラックと同価格)。
このクラスのプレーヤーともなれば、単に置いただけではその能力を十分に発揮出来るとは申せません。
都内および近県であれば、私どもが直接設置・調整にうかがいます。どうぞ、ご購入と合わせてお申し付け下さい。