二葉あき子/うたのこころ
- フランチェスカの鐘
- 夜のプラットフォーム
- 巴里の夜
- 霧の港のノスタルジア
- あの花 この花
- 恋の曼珠沙華
- 水色のワルツ
- 古き花園
- 村の一本橋
- 別れても
- 泣きぼくろの女
- さよならルンバ
二葉あき子(歌)
古関裕而(hammond-org)、岩田喜代造(cem)、大西修(pf)、松岡ヤスシ(t-sax, a-sax)、高木東六(pf)
コロムビア・オーケストラ
二葉あき子(1915-2011)はある年齢以上の方には今更ご紹介の必要もないでしょう。
'35年に東京音楽学校(今の芸大)を卒業、翌年にはコロムビアの専属となり、このレコードの発売時点('67年)までで600曲以上の吹込みをしていました。
このアルバムは、彼女が昭和32年以来故郷の広島に戻って後輩の指導などに専念して、長い間レコード吹込みから遠ざかっていたのを、コロムビア・松岡諄三氏のプロデュースで昭和41年から新しく録音して1枚にまとめたものです。
掲載されているプロデューサーの手記によると、彼女がリラックスして歌えるよう、またその歌を際立たせるために伴奏を極力少ない人数でシンプルにすることを心掛け、歌謡曲では当たり前であった歌と伴奏の別録りではなく、生のように彼女がバンド或いは伴奏者の中に入って一緒に録ったそうです。そのためか歌謡曲録音を超えた自然で優秀な音質で録られています。
伴奏者も厳選されており、曲によって古関裕而のハモンドオルガンや高木東六(どちらも曲の作曲者),大西修(編曲者)のピアノ、チェンバロやサックスが巧妙な伴奏をつけています。
ジャズやシャンソン,タンゴなどのセンスも巧みに織り込みながら、しかも「二葉あき子のうた」以外の何物でもない、味わい深いリサイタル・アルバムに仕上がっています。
見開きジャケットには多数の懐かしい写真を掲載、また驚いたのが表紙とその表紙裏にある自画像で、素人画を超えた巧みな腕前には脱帽!