オルトフォンの人気MCカートリッジ、Q シリーズのニューフェース、MCQ30S です。
今までのMCQ30 はカンチレバーにボロンを採用していましたが、昨今の世界的なボロン入手難に伴い、オルトフォンもカンチレバー素材の変更を行いました。
同社が今回選んだのはサファイア。これは上級のCadenza シリーズでのルビーにも近似した性質をもち、従来のボロンより優れた剛性を誇ります。
コイル線材にはAucurum(6N高純度銅線に金メッキを施したもの)を、針先形状は先代を受け継いでシバタ針を採用しています。
固定時にヘッドシェルに接触する天面には3つのリブがあり、3点接触でガタ無く取り付けられる工夫がなされています。ちょっとしたことですが大変有効、上級のカデンツァ・シリーズから受け継いだものです。
1978年の初代MC30 発売以来、代々「30」番は同時代の上級ラインで得られた技術成果を取り入れ、ハイスペックかつC/Pに優れたシリーズとして伝統を重ねてきました。
このMCQ30S はシリーズ7代目となります。
しかも実質的に性能アップを果たしながら、価格は先代のMCQ30 と同じ、据え置きというのも、新しくなるごとに当たり前のように値段が上がっていく中にあって、良心的といえましょう。