Yve Bernard Andre
仏YBA は’81年、パリのエコール・ポリテクニーク(国立の教育・研究機関)で教鞭を執る工学博士でもあるイヴ・ベルナール・アンドレ氏が興したメーカー(Yve Bernard Andre の頭文字を採っています)。
初期のゴールドムンド製品の設計に参画していたことも知られます。
GENESIS はYBA の最新シリーズ、同社の中核を担う実力ラインです。
同社独自の「パラドックス方式」と呼ばれるディスク読み取り技術を採用しているところが、まず大きな特長です。
パラドックス方式とは元々医療機器分野で開発されたレーザー技術の一種で、光学的にノイズを加えることで目標の波長をより捉え易くする手法とのことで、ここではレーザーでCDのビットデータを読み取る際に、読み取り用の赤色レーザーに加えて波長390nmのブルーLED光(赤色からすると一種のノイズ)を加えて照射することで、ディスク読み取りの精度を向上させるというものです(下の写真、下方中央にある小さな青い点がブルーLED)。
ディスクの装着は余計なメカニズムを省くことの出来るトップローディング方式。
それだけではなく、ここではまた独自の工夫がなされています。
CDを収めた後、上の手動のスライディングリッドを2cm以上閉めるとプレイモードとなりますが、そこから完全に閉めるまで任意のところで止めておくことが出来ます。
CDを格納するメカのスペース内部で高速回転する際の風切り音を密閉して閉じ込めるか、或いは任意に上部のリッドを開いてオープンな状態にするかで、音質の微妙なコントロールが出来るというものです。
何だかデジタルというより、まるでアナログ・プレーヤーの音質変化をコントロールするのにも似ていて、なかなかマニアックではありませんか。
CDは強力なマグネットキャッチにより、しっかりとクランプされます。
メカの心臓部、CDドライブには実績があり信頼性の高いサンヨー製が採用されています。
また、CDプレーヤーとして内蔵のD/Aコンバーターを使いアナログ音声出力をさせる場合は(これがほとんどかと思われますが)、背面のスイッチによりデジタル出力をカットすることが出来ます。
デジタル出力のための周辺部もOFFさせることで、極力アナログへのデジタル信号の影響を排除しようという配慮です。