レコード好きならMobile Fidelity モービル・フィデリティという名前は聞いたことがあるはずです。略してMoFi(モーファイ)。
1957年創設のMobile Fidelity Sound Lab 社は各レーベルの数々の優秀録音をオリジナルマスターから復刻した盤(レコード,CD)で最も多くの実績を誇る、高音質リイシュー盤の宝庫です。
そのMoFi が初めて手掛けるハードウェアがMoFi Electronics のブランドでリリースされます。もちろんアナログ・プレーヤー(とフォノイコライザーアンプ)です。
MoFi ならではの拘りをもって、アナログ・プレーヤーは現代アメリカのハイエンド・ターンテーブルを象徴するSpiral Groove 社を主宰するアレン・パーキンス氏に開発を託し、2年間を費やして完成した力作です。
但し力作といっても大変購入し易い価格帯での登場は、MoFi のもう一つの拘り。いくら素晴らしいものを作っても、多くの人が買えないような高額品では、自分たちのレコードを多くの人に楽しんでもらおうというそもそもの目的にそぐわないということ。
多くの実績を誇るヴェテラン設計者を必要としたのは、この目標のために最適な開発を進めるためだったのです。MoFi だからこそ可能だった実に贅沢な話ではあります。
Ultra Deck はその名のとおり、スタンダード・モデル Studio Deck の上級特別ヴァージョンです。
本体プリンツには制振技術 Constrained Layer Dampening を導入、3枚のアルミプレートを強固にMDF ボディに貼り合わせた積層構造を採っています。
POM 製のプラッターは33mm と、厚みを増しています。
トーンアームはStudio Deck と共通ながら、内部配線にはCARDAS AUDIO 社製のケーブルを採用、確実なアップグレードが施されています。
この度細部の見直しが行われ、新ヴァージョンとなりました。
オリジナルではリアの電源コネクタからフロント近くのパワースイッチまで交流のまま伝送していましたが、新型では直流伝送となりました。シンプルな一体型デザインのため電源部は内包ですが、電源コネクタ直後にDC変換することでキャビネット内は低電圧でワイヤリングされ、電源に起因するノイズの影響を低減しました。
また外からは見えませんが、出力コネクタに銅製のコネクタ・ボックスを新たに採用することで、外部からのノイズを防ぐシールド効果が高まりました。
スピンドルベアリング・オイルも見直され、Mk2 ではF1の現場でも使用されているエステルベースの高品位潤滑油に変更されています。
- マウントされた本体から巧妙にアイソレートされたハイトルクACシンクロナスモーター
- アレン・パーキンス氏設計による10インチ・トーンアーム
- 革新的な振動除去技術で知られる米HRS社製のアイソレーション・フット採用
- アッセンブルだけでなく、全てのパーツを米国内で調達することにより、高い品質管理を維持
- ダストカバーが付属するのも、ユーザーフレンドリー