Goldring ゴールドリングは1906年創立のイギリスの伝統あるカートリッジ・メーカー。現在も幅広いラインナップを誇り、ビギナーからオーディオファイルまで厚い信頼を得ています。
Ethos はゴールドリング・カートリッジのフラグシップ(MC型)。
先代、Legacy はおよそ10年にわたって好評を得てロングセラーを続けてきましたが、今回、完全新設計となるEthos(エートス=精神)へとバトンタッチされました。
その心臓部、ニュージェネレーターGOL-1 はエトスのハイライトです。
・front pole shoe – フロントポールシューの改良
・damper – 新デザインのダンパー
・main screw – 新しいメインスクリュー
・pin block – 新しいピンブロック素材
・cantilever – カンチレバーの刷新
・test and set-up – 新しいテスト・セットアップ方式
・cross-shaped armature – クロスシェイプ・アーマチュアの採用
・dust cover – 日本製“Kozo”ペーパー・カバー
素材配合を見直すことにより、さらなる軽量化を実現。新設計による最適化で全長は従来よりわずかに延長されました。
それでは個々に詳しく見ていきましょう;
- CROSS-SHAPED ARMATURE
アーマチュアは一般的なスクエアタイプではなく、クロスシェイプ(十字型)タイプを新たに採用。
クロスシェイプにすることで実効質量を軽減、振動系の大幅な軽量化を果たしました。
高い出力と優れたトレース能力を備えたEthos は30dB を超えるチャンネル・セパレーションを実現し、素晴らしいステレオ・イメージを再現します。
- 新設計のサスペンション・システム
Ethos のために開発されたサスペンション・ダンパーは、特殊ブチルゴム複合材で作られており、共振時でも振動を素早く減衰させることに成功しています。
最新のタイワイヤー・セットアップにより最適な張力がかけられ、カンチレバーは常に適切な状態を保つことが出来ます。
ジェネレーターに使用される強力で軽量なネオジミウム・マグネットは、前後ポールシューにより固定されており、そこから吊下げる形でクロスシェイプ・アーマチュアを配置。ギャップ内の磁場は完全に均一となります。
また非常に軽量な日本製KOZO ペーパーがダスト・カバーとして初採用されました。KOZO(楮/こうぞ)は和紙の主要原料であり、質量が軽い上に共振も少ない理想の素材です。
- アルミニウム・ボディシェル
ボディシェルは新たにアノダイズ処理された航空機レベルの緻密なアルミニウムが採用されました。
アノダイズ処理は硬質な仕上げとエネルギー伝達スピードの向上に貢献。
ジェネレーターを組み込む際、最低限のパーツで行えるように形状も見直されました。
磁気回路をベースに据え付けるのではなく、ボディに直接ビスで貫通させているのも大きな特徴で、機械的な強度の向上に寄与しています。
- スタイラスとカンチレバー
新たに先端曲率半径8×35μm の特殊ラインコンタクト針を開発。
カンチレバーは堅牢で軽量な硬質特殊合金製。