伊audel オーデル社は2008年、建築家,工業デザイナーであるウォルター・カーサン氏によりイタリアはシチリアで創業。
かつて「フレッド&ジンジャー」という可愛らしい人(ひと)型スピーカーが輸入されていましたが、なるほどデザイナー出身の方の作だったのですね。
カーサン氏はパレルモの出身、子供の頃からの熱心なオーディオファイルでした。
1995 年には建築とデザインを専攻してパレルモ大学を卒業、以降木工製品のデザインと製造に従事します。なかでも早いうちからCNC 工作マシンに精通していたことが、現在の独自のスピーカー製造方法に繋がっています。
Walter Carzan, founder
Magika mk2 は14cm ウーファーを搭載するブックシェルフ・タイプの最上級機です。
見てすぐに印象付けられる側面の積層模様、まずこれこそがオーデル・スピーカー最大の特徴です。
デザイン的に優れているのは確かですが、実はエンクロージュアの音響上、いくつもの利点を持つ優れた構造を実現するのに欠かせないのです。
上の写真で分かるように、四角い枠型に切り出したバーチ合板(樺材)を多数重ね貼りすることで強固なエンクロージュアを構成しています。この高い精度を要求する木工加工に活かされているのが、先に触れたCNC 加工マシン技術です。
それもただ貼り重ねるのではなく、一枚ごと交互に枠の縁の厚さを変えることで、内部に複雑なリブ構造を施し、エンクロージュア内に発生する厄介な定在波を低減、強度も増しています(IRS=Internal Rib System)。
フロントバッフルにあたる部分には36mm もの板厚を確保して、徹底した高剛性化を図っています。
AUDEL の全てのスピーカーは9日間かけて製作されます。
何度もヤスリ掛けを行って表面の質感を高め、最後に5日間かけて幾層もの蜜蝋ワックス仕上げを施します。表面に塗装の層をつくらず、板材を自然なまま仕上げるのがオーデル流。これも音質上、必須なのです。
使用されるドライバーユニットは、トゥイーターがSB Acoustics 社、ウーファーはノルウェイのSEAS 社製。
SB Acoustics はデンマークのベテラン設計チームによる今話題のユニットメーカーで、このメーカー独自のリング・トゥイーターは、ソフトドーム中央を突いて凹ましたようなユニークな形状が特徴的です。
能率(音圧レベル)も87.5dB と高め、インピーダンスも8Ωありますので鳴らし易く、真空管アンプで鳴らすのもおススメです。
仕上げの種類が充実しているのもオーデルの特徴。Magika mk2 は、ウォールナット,エボニー,バールウォールナット,モザイク(アート)からお選び頂けます。
専用スタンド(写真2参照、ビス留めでの固定が可能)、グリルネットが別売りで用意されています。