今や世界的に評価の高いLyra ライラは、スティーグ・ビョルゲ氏が代表を務め、ジョナサン・カー氏の設計により三嶋敬宣氏が製作を担当、日本を拠点とするカートリッジ・マニュファクチュアラーです。
MCカートリッジの発電コイルは、再生時の適正針圧がかかるときに最大の発電効率を得るため磁気回路と同じ角度になくてはいけませんが、多くのカートリッジが抱える大きな問題のひとつは、針圧をかけない(針を盤に載せない)フリーの状態で適正な位置にコイルが配置されていることです。
これではいざ針を落としてレコードをかけると、針圧でコイルは適正な位置からずれてしまい、最適な発電が出来ないことになります。
Lyra のニューアングル・テクノロジーは、この問題を新しいボディー構造と予め角度をつけたダンパー・システムで解決しました。
プリアングルド・ダンパーは、適正針圧がかかったときに発電コイルが磁気回路に対して最適な位置に来るように設計されています。
この技術は新しいエントリーモデルであるDelos で導入されました。
Kleos はDelos にさらに磨きをかけた上級機です。
航空機グレードの合金を切削加工して作られたボディは、エネルギー伝達を改善すべく極限まで切り詰められ、平行面を避けて複合材料で組み上げられたプリストレス構造により効果的に内部共振を抑えています。
またKleos は、Lyra 独自のラインコンタクト針(3×70μm)とソリッドボロン・カンチレバーを備えた最も手頃な価格のカートリッジです。その点では最上級機とほぼ同等の仕様となっています。