Peter Madnick
1980年代初頭に米国カリフォルニアで創業したAudio Alchemy オーディオアルケミーは、コンパクトでハイパフォーマンスな製品群で当時人気を博しました。
チーフ・エンジニアとして参加していたピーター・マドニック氏は、その後米国のハイエンド・ブランド Constellation Audio の中心的メンバーとして製品の開発・設計に携わり、2015年には再びオーディオアルケミーを復活させます。
元々のコンセプトである「手頃な価格でハイエンド・オーディオのパフォーマンスを提供する」という思いは引き継がれ、新生オーディオアルケミーはコンパクトなサイズとリーズナブルなプライスのなかで高いパフォーマンスを発揮し再び好評を博しました。
2016年、ドイツELAC 社はエレクトリック製品本格参入の方針のもとオーディオアルケミーを買収、マドニック氏に次世代アルケミーであるELAC Alchemy の製品開発を託しました。
ELAC Alchemy エラック・アルケミー・シリーズのフォノステージ・アンプがPPA-2。
コンステレーション・オーディオではジョン・カール氏と共にトップエンドのフォノイコ、PERSEUS を手掛けたマドニック氏、製品セグメントは全く異なるとはいえ期待が高まります。
Alchemy PPA-2 は、入力から出力までFET によるフル・ディスクリートのバランス回路構成。
RIAA イコライザー素子には誤差0.1%以下の金属被覆抵抗や選別されたポリプロピレン・フィルムコンデンサを使用しています。
画期的なのはMCカートリッジでの負荷抵抗切替え機能。
L/R独立でリアパネルにあるノブを回して5Ωから1KΩの間で連続可変調整することが可能なうえ、その数値がフロントパネルの液晶パネルに表示されるのです。これは相当な上級機でないと採用出来ないフィーチャーです。
加えて、各チャンネルに独立したゲイン切り替え、周波数設定可能なサブソニック・フィルターなど詳細な調整機能が充実。
さらに、超薄型のリアパネルに存在感を放つのはXLR バランス入出力端子。
そして何といっても最大の驚きは、そのプライスタグでしょう。
これだけ致せリ尽くせりの内容でしかも輸入製品、さすがはアルケミスト・マドニック! Audio Alchemy の新たな快進撃を予感させます。
- 入力2系統MM/MC切り替え可能
- MCカートリッジの負荷抵抗をL/R個別に5Ω〜1kΩで連続可変調整可能。数値はフロントパネルのLCD ディスプレーに数字で表示。
- XLR バランス入力装備
- STEREO/MONO 切替え
- 周波数選択可能なサブソニックフィルター
- 入力から出力までのFET 完全ディスクリート・バランス構成回路
- 密封型金メッキ接点リレーによる信号切り替え
- クロック・ノイズを防ぐマイクロ・コントローラーのシャットオフ機能
- 余裕あるトロイダルトランスを採用したウルトラ・ローノイズDCレギュレーター電源