試聴展示していますので、どうぞ聴きにいらして下さい。
Platanus プラタナスは、2016年設立、生まれたての純国産カートリッジメーカー。
但し主宰する助廣哲也氏は既に長年、数多くの国内外著名ブランド・カートリッジの設計・製造に携わり、現在30代後半ながら多くの実績を積んできた期待の新星、いや超新星なのです。
プラタナスというのは、当初工房のあった場所にちなんで名付けられたそうです。
ブランド・ポリシーは「音楽そのものに忠実であること」。
制作者として目指すところを彼自身の言葉でご紹介しましょう:
「オーディオ機器において、ハイファイ——High Fidelity とは音源の信号に忠実な再生を意味します。しかしレコード再生では、音溝を正しくトレースしさえすれば良い音がするかというと、必ずしもそうとは限りません。まるで楽器のように、部品の材質やネジの締め方などさまざまな要因が再生音に影響を及ぼすため、フォノカートリッジの設計にはそれらをどう活かすかが問われます。
PLATANUS は、音楽のパッションに対してハイファイでありたいと考えます。レコードに込められたエネルギーをただ音の情報として羅列するのではなく、リアルな質感を持つ生きた音楽として引き出すような製品を、自らの手で一つずつ作り上げています。」
プラタナスの処女作はMCカートリッジ2.0S。
高い完成度でいきなりMCカートリッジ・トップグループの仲間入りを果たし、初めて聞くこのブランド名を一躍有名にしました。これは今でもプラタナスのトップモデルです。
次に発表されたのが3.5S。型番の数字が増えましたが、こちらはジュニアモデル。フレッシュな聴き心地は2.0S とはまた違った魅力にあふれ、上級機の2/3の価格であることもあって大変人気を博しました。
今回発表となった3.0S は、価格的にはこれら2機種の間に位置しますが(と言ってもほとんど2.0S と同等の価格)、中堅機ということではなく、2.0S に対して新しいアイデアも盛り込んで、少し方向性の違ったモデルを生み出したと言った方がよいでしょう。
外観はすらっとした3.5S の延長にありますが、構造は全くの別物。
3.5S ではA6063 アルミニウム合金削り出し一体成型ボディを採用していましたが、3.0S では上級の2.0S と同じく2種類のアルミニウム材、外形ボディをA6063 アルミニウム,ベース部をA7075 超々ジュラルミンを組み合わせた構造を採りました。言うまでも無く、異種金属の組み合わせで効果的に不要振動を低減するのが目的です。
重量は3機種の中で最も軽く11.5g。扱い易さがさらに増しました。
マグネットにはネオジミウム磁石を採用、プラタナスお得意の一体型大型磁気回路を搭載。コイルコアは純鉄。
インピーダンスは2.5Ωで2.0S と同じですが、強力な磁気回路のお陰で0.4mVの高出力を得ています(3.5S と同じ、2.0S は0.3mV)。
カンチレバーは2.0S を踏襲してA2017アルミ合金(ジュラルミン)中空テーパード型を採用。製造が難しくコストもかかりますが、これは助廣氏の現在の標準のようです。
針先は一貫してラインコンタクト針。
店主おススメ。