LSI のウェハと端子を結ぶ配線材として生まれた高純度Cu を1987年にアクロリンクの前身アクロテックがオーディオケーブルとして製品化したのが、高純度銅を特長とするアクロリンク・オーディオケーブルの歴史の始まりとなりました。
世界的にも製造自体困難なこの超高純度銅、アクロリンク・ストレスフリー D.U.C.C.7N(Seven Nine=99.99999%以上の)Cu(*)。
ケーブルの製造工程は、素線の設定直径に仕上げるまでに高精度な直径管理や平滑度を実現する精密加工技術を駆使しながら引き抜き加工を繰り返したり、被覆加工など想像以上に多工程となるのが通例です。
その加工過程で純度や結晶構造が大きく損なわれてしまう可能性は決して小さくはありません。素線自体も配線時の曲げなどにも結晶状態を損なわない独自のストレスフリー処理(撚り線後の特殊焼鈍)を施し、撚り線加工時にも厳密な製造管理体制によって、純度と結晶構造を維持しています。
7N-A2400 Leggenda では、アクロリンク・バランスとも言うべき絶妙の「素線径0.26φ×19本」をスクアランオイルをコーティングしながら高密度かつ最適テンションで逆方向に撚り、高純度ポリオレフィンで被覆。
線間のシルク糸により静電除去を強化し、不要振動を抑制するアモルファス粉体混合の高機能ポリオレフィンで内シースを形成。さらにその外側に銅箔テープとUEW+銀メッキ軟銅線編組によるダブルシールド層を形成。最外周を耐UV ポリウレタンで仕上げています。
オリジナルのRCA 端子は前作7N-A2400IIIを継承。鉄成分を含まず強度と音質に優れたテルル銅を無垢材から削り出し、センターピンはパイプ状の中空構造として超ワイドレンジ伝送を維持しています。
アルミニウムとカーボンファイバーの端子カバーが共振モードを分散しつつ外部からのノイズ排除にも貢献しています。
* D.U.C.C.7N Cu
Dia Ultra Crystallized Copperは三菱電線工業(株)開発によるオーディオケーブル用高純度銅導体で、結晶粒を一般的な純銅の数十倍以上まで大きく成長させ、かつ結晶格子の方向性を揃えた素材です。
結晶粒は大きいほど結晶粒界(結晶と結晶の境界面)が少なくなり、音質上のメリットは大きいのですが、金属の結晶には方向性がありこれも揃える必要があります。X線照射による解析現象によりその方向性は観測できますが、母線,伸線工程,アニール(焼鈍)などの製造工程を最適化することで「オーディオ信号の伝送に最適な方向性」を具えた極めて優れた線材が完成しています。
独創のストレスフリーの7NCu
アクロリンクのストレスフリー製品は独自の特殊焼鈍処理と高純度銅の特性により、あまりに大きな外部応力でない限りセルフアニール現象で組織を健全な状態に復元することを実現した世界でも唯一のケーブルです。
伸線加工後の加熱処理時点で原子配列の転移は通常の4N 銅に比べ1/10億のオーダーを達成、結晶粒の数も1/80〜1/100となっています。
さらに電流が流れることによってエージング=セルフアニール環境が促進され残留歪が減少し組織が健全に回復します。
【ケーブル】
- 外径寸法 : 10.0φmm
- 導体 : D.U.C.C. Stressfree7N Cu 0.26φ×19本撚り
- 絶縁体 : 高分子ポリオレフィン系樹脂
- 内シース : アモルファス粉体入り高分子オレフィン系樹脂
- シールド : 銅箔テープ+黒UEW・銀メッキ軟銅線編組
- 外シース : 耐UVポリウレタン
- 導体抵抗 : 17mΩ/m
- 静電容量 : 69pF/m
【RCAプラグ】
- センターコンタクトピン : 中空構造ティルル銅
- コールド : ベリリウム銅
- メッキ : ダイレクトロジウムメッキ
- カバー : アルミニウム+カーボンファイバー
1.5m タイプもあります。
*特注品(ケーブル延長) : 0.5m増す毎の追加料金19,000円/ 2本(税別)