PIONEER パイオニアのハイエンド・ネットワークプレーヤー、N-70A の中古品が入庫しました。
同社最後のハイエンド機として、その音の良さから単体DACとしても根強い人気があります。
外観に気になるキズ等はなく、とても良好な状態です。
リモコン(とてもきれいです)、取扱説明書、電源ケーブルが付属します。
【メーカーの製品解説】
DSDなど最新のハイレゾリューション音源に対応し、バランス出力を装備するなど、高品位な音楽再生を実現するネットワークオーディオプレーヤーの最上位モデル。
左右独立したDACと、デジタル/アナログ専用トランスの搭載により、ノイズを大幅に低減し、最新のハイレゾリューション音源を含むさまざまな音声ファイルフォーマットを高解像でクリアに再生します。
●DSD (5.6MHz/2.8MHz)など、最新のハイレゾリューション音源を含む、さまざまな音声ファイルフォーマットの再生に対応
●左右のチャンネルで独立したESS 社製DACの8chパラレル駆動により、ノイズを大幅に低減することで高 S/Nを実現
●アナログ・デジタル回路それぞれにシールドケース付の電源トランスを搭載することでノイズを低減し、クリアで余裕のある電源供給を実現
●フルバランス回路構成によりチャンネル・セパレーションを向上させたバランス出力端子を装備
●アナログ/デジタル回路間のノイズ干渉を抑え、筺体の剛性も向上する3分割シャーシ構造を採用
【ITmedia News の記事から】
パイオニアは2013年、初のネットワークプレイヤーとして「N-50」をリリースした。「N-70A」と同時に発売された「N-50A」はその後継モデルだが、彼らはその資産を流用することなく「N-70A」については筐体から電源、信号処理回路に至るまで、すべてを一新した渾身の製品に仕上げたのである。
このモデルの一番の大きな特徴はDSD 5.6MHz、PCM は384kHz/32bitの信号に対応するインタフェース・ボードとESS 製の8チャンネルDAC「ES 9016S」を左右独立して使用しパラレル駆動することでノイズフロアを極限まで下げた信号処理ブロックを用いていることだ。
そしてこうした特性を活かすため、フルバランス構成のアナログ信号処理回路を組み込んでその能力を最大限に引き出すことに力を注いだ。
新設計のシャーシはアンダーベースを用いて剛性を高めているが、内部を3分割し電源部、デジタル信号処理回路、アナログ信号処理回路の各ブロックを分離してノイズの低減と信号の干渉を防いでいる。
メインの電源部からはアナログ回路にだけ給電し、デジタル回路用には別途専用の電源トランスを用意する手の込んだ作りで音質の純化に努めた。
まさにオーディオマインドあふれるパイオニアらしさが随所にあふれた製品なのである。
またこのモデルはDACのデジタルフィルターの切り替えが行えるほか、DACのロック精度を調整する「「LOCK RANGE ADJUST」機能を設けて、それぞれの設定による音質が楽しめる。また、384kHz/32bitまでアップサンプリングが可能なオーディオスケーラーも装備している。
PCからの音楽ファイル再生についてはアンシンクロナス転送方式のUSB-DAC 機能を持ち、USB-A 端子をフロントとリア側に設けていずれにもUSB-HDD やUSB メモリーを接続できるほか、USB-DAC の入力部にはアイソレーターを加えてPCからのノイズの混入を防止している。
フロントパネルに設けられた液晶の表示部も3.5インチに拡大されたのでプログラムの内容や動作状態も見やすくなった。
次にこのモデルに用意されている「ロックレンジアジャスト」機能を試してみた。
ロック幅は1〜7まで8段階用意されている。1ではロックしたりしなかったりするものの、2はレンジ感が広く、4は安定感があり音が厚くなる。そして7では2人のボーカル(アルバム「チーク・トゥ・チーク」から)はいくぶん太くなるが緩めに感じられた。
デフォルトは安全率を見込んで7に設定されているそうだが、設計陣からはロックが外れるひとつ上のポジションがいい音で聴けるポイントということなので、この辺りは実際に試してみたい。このソースでは4がぼくのおすすめである。
デジタルフィルターについては、「Slow」「Sharp」「Short」が用意されている。
比較すると「Slow」平均的、「Sharp」は明快なサウンド、「Short」は音場再現が豊かになる印象だ。
またダイレクト再生をオフにすると32bitにアップサンプリングした再生を行う。オリジナルデータに比べるとスムースさが増し上品な音になるが、オリジナルデータのほうがリアルさは高いように思う。
この音源が入ったUSB メモリーをリアパネルのUSB 端子に接続してみたところ、音圧感がアップし音場が深くなる。
恐らく端子から基板までのわずかな距離の違いがこうした変化を生むのだろう。USB メモリーを再生するのにいちいちリアパネルの端子につなぐのは面倒くさいが、ハイレゾもいい音で聴きたければ手間を惜しむなということだ。
USB 音源をPCに取り込み、USB-DAC として使うと、音は太くなるがやや甘くなり48kHz/24bitで聴いた感じになる。
このあたりは一概に断定できないが、PCの状態や再生ソフトの違いが出る。NAS を経由すると安定感が増し、USB メモリーをダイレクトに再生した時のイメージに近くなった。
またメーカーでの保証はないが、試しに11.2MHzで信号を入力すると、ディスプレイ表示には「--」しか出ないものの、何のトラブルもなく再生した。将来性が気になる人にはこれもうれしいフィーチャーといえるだろう。
私の知人にもハイレゾ対応を行って、CDと大差ないと嘆いていたオーディオファンがいたが、ハードウェアによっては残念な結果になってしまう製品も少なくない。CDプレイヤー同様、再生出来るということと、いい音で聴けるということには、使いこなしも含めて大きな違いがあることを改めてお伝えしておきたい。
それにしても、この価格でこの内容には驚きだ。それだけにこのモデルはハイレゾ音源の持つ可能性を引き出してくれる製品としてオーディオファンに安心しておすすめしたいと思う。
(潮晴男氏の記事から抜粋)
【主要諸元】
音声出力レベル RCA 2.2 Vms, バランス(XLR3) 4.2 Vms
周波数特性 4 Hz〜90 kHz (-3 dB)
S/N RCA 114 dB, バランス(XLR3)117 dB
ダイナミックレンジ 117 dB
全高調波歪率 RCA 0.0012 %, バランス(XLR3) 0.0008 %
チャンネルセパレーション 110 dB(1 kHz)
ヘッドホン出力 100 mW + 100 mW(32 Ω), 6 Ω〜 600 Ω, 4 Hz〜80 kHz (-3dB)
デジタル入力 光デジタル入力 1系統, 同軸デジタル入力 1系統, USB B(リア)1系統(USB DAC機能用), USB A(フロント/リア), iPod/iPhone 、USBメモリー、外付USBハードディスク(1系統/1系統)
アナログ出力 RCA出力 1系統, バランス出力 1系統(ノイトリック製)
デジタル出力 光デジタル出力 1系統, 同軸デジタル出力 1系統
ネットワーク LAN(100Base-TX/10Base-T) DLNA1.5準拠
消費電力 45 W, 待機時消費電力 0.3 W
オートパワーオフ機能 設定時間:15分、30分、60分、OFF
外形寸法(W×H×D)/ 重量 435 mm×121 mm×338 mm/ 12.5kg