好評だった前作EA-200 をベースに上級機のエッセンスを盛り込み、フェースパネルも現行型に一新したのがEA-220 です。
- オールディスクリート構成による完全無帰還型増幅回路
ほとんどの一般的なフォノ・イコライザーアンプは、負帰還(NFB:Negative Feedback)制御技術を使っています。
これは、入力信号と出力信号を比較し、その差(補正信号)を反転させて入力する回路技術で、増幅素子にオペアンプと呼ばれるIC を使用し、イコライザー回路がフィードバックループの中に含まれるのが一般的です。
しかし負帰還アンプは、入力信号と出力信号の間に原理的に除去出来ない時間遅延が避けられず、これがTIM(過渡相互変調歪み)の原因となり、音質を損なう大きな原因の1つとなっています。
これに対しNFB を使わない無帰還アンプは、入力信号そのものを増幅する点が大きく異なります。
無帰還アンプでは負帰還アンプのような補正動作はありませんので、様々な変動に対し安定な動作を行うために、構成する部品と動作点の設定に高い精度が要求されます。
このように無帰還アンプはコストアップを招きますが、音質面ではその素直で自然な再生でオーディオファイルの強い支持を得ています。
EA-220 は無帰還増幅回路を採っているので、厳選した部品を選択使用出来るディスクリート構成を採っています。これはこのクラス唯一といえるものです。
- デュアルモノラル基板パターンレイアウト
回路基板のパターンと部品レイアウトを左右同一とし(線対称ではなく)、高いレベルで左右チャンネルの均一化を実現しています。
- フロントパネルを一新、強靭なシャーシ構造
フロントは8mm 厚スラントアルミパネルを新規に採用、現行各シリーズとの統一が図られました。
シャーシベース,トップカバーは1.6mm 厚鋼板に銅メッキ処理を施し、その上に塗装仕上げを行っています。更にトップカバー天面部にシールドを追加したことにより、8mm 厚フロントパネルと相まって強靭な筐体構造と磁気歪の軽減を図っています。
フットには外部振動を遮断する重量級金属インシュレーターを採用しています。
- 高音質部品の採用
フォノアンプの音質に影響の大きいRIAA 補正素子には、定格容量にゆとりを持たせた1%グレードの金属皮膜抵抗と高品質フィルムコンデンサー等の定評のある高音質部品を使用。
信号系の要所にはエルナー社のシルミックII・オーディオグレード電解コンデンサーや1%グレードの金属皮膜抵抗を使用しています。
電源回路には、整流時のノイズが少なく、高音質であるファーストリカバリーダイオードを採用。低雑音ツェナーダイオードを使用し、極めてローノイズの電源回路をLch、Rch 個別に構成。
電源トランスは、R コアを用いた低リーケージフラックスのトランスを使用しています。