インテグレーテッド・アンプで人気の末弟 834 の兄貴分、上級機種がこの8L6 です。
パラレル・プッシュプルのA級で50W/chと、十二分なパワーを誇ります。
初段はECC83 によるA級差動回路を採用、ドライブ段でもECC85 を用いた差動回路で高いドライブ電圧と耐久性を確保、また初段‐ドライブ段における位相差,インピーダンス差の問題をパラヴィチーニならではのDCカップリングで解消しました。
パワー出力段はA級動作。
ドライブ段の差動のプレートからの信号を2本の出力管にパラレル出力し、出力管はパラレルシングル・クラスA動作。その上でプッシュプル回路構成として、非常に高いリニアリティとA級でありながら、大出力を効率良く確保することを可能にしています。
結果、リニアリティーが高く、低歪み、尚且つ大出力を得ることに成功しています。
また、バイアス方式はセルフバイアスとし、アフターメンテナンスを容易にしています。
こうした、長く使っていく上での耐久性や保守性を念頭に置いた設計もまた、常にプロフェッショナル・フィールドに身を置くパラヴィチーニならではでしょう。
さて得意のトランス類も、EARサウンドの要とも言えるアウトプットトランスにパラヴィチーニ自身のデザインによる超広帯域のスペシャルワインディング・トランスフォーマーを採用。最小限のネガティブフィードバックで周波数特性は高音域で実に50kHzという、管球式アンプとしては信じられない程の特性を得ています。
電源トランスもオリジナルの大容量タイプを採用し、電源キャパシターは約4,000uF として急激な大振幅にも余裕を持たせ、さらに左右独立スペシャル・チョークトランスを入れて日本の劣悪な電源環境に対しても万全な構えです。
もう一つこのアンプの大きな特長が、プリ部とパワーアンプ部をスイッチ一つでセパレート出来る機能。
これによりプリアンプ(パッシヴ),パワーアンプ,インテグレーテッドアンプのいずれとしても使用することが出来、また切り離したプリ部とパワー部の間にイコライザーなどプロセッサーを挿入してカスタマイズするなど、使い手にとって高いフレキシビリティを誇ります。
店主おススメ。