アラン・ホヴァネス／交響曲第３８番 OP.314（1964.7〜8）　

藤原ひなこ（S）、Verne Nicodemus（Tp）、Linda Orr（Fl）、Linda Melsted（Vn）　
アラン・ホヴァネス指揮 ノースウェスト室内管弦楽団　

世界初録音。コロラトゥーラ・ソプラノ，トランペット，フルートと弦楽合奏のための交響曲で、’７８年の作。

アラン・ホヴァネス（1911〜2000）はアルメニア系の父とスコットランド系の母のもと米マサチューセッツに生まれたアメリカの作曲家。この録音でソプラノ独唱を受け持っている藤原ひなこは大阪出身の日本人でホヴァネス夫人。
ルーツのひとつであるアルメニアをはじめとして、インド，中国，日本など伝統音楽の研究を通した独特の神秘主義的でエキゾティックな作風で、現代作曲家としては一般にも高い人気を誇りました。
多作家としても知られ、なかでも交響曲は６７曲を残し、ハイドン以降ではセーゲルスタムに次ぐ数です。

曲は現代音楽のイメージとは程遠いメロディアスな作風で、弦楽合奏をベースに時にトランペット，フルートやソプラノ・ソロが表に立ち、エキゾティックな表情も見せます。

このレコードは大変珍しいPandora Records というレーベルで、マイナー色ぷんぷんですが、恐らくホヴァネスのためのプライヴェート録音に近いものでしょう。
でもあのモービル・フィデリティ・レコードで有名なスタン・リッカーがハーフ・マスタリングを担当したオーディオファイル優秀録音盤です。
うち以外ではまずめったにお目にかかれないレア盤。