ブラームス/ピアノ協奏曲第1番
アルトゥール・ルービンシュタイン(Pf)
ズービン・メータ指揮 イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
ルービンシュタイン引退宣言の年(89歳!)、1976年のテル・アヴィヴでのラスト・レコーディング。最初で最後のデッカへの録音となりました。
最後まで年齢を感じさせないピアニズムを誇っていた彼らしく、活きの良いメータを相手にまだ若造には負けない、と言わんばかりの演奏で、両者のスリリングな競演が繰り広げられます。
敢えて1番を選んだところからもラスト・レコーディングへの心意気がうかがわれ、メータも大先輩の花道を盛り立てながら、決して裏方に回ることなく、ピアノ交響曲とも呼ばれるこの曲を思う存分描き切ります。
テクニックの精度などを求めるのはこの演奏本来の楽しみ方ではなく、最近の完璧な技巧によるCDなどでは聴くことの出来ない、年を重ねた稀代のヴィルトゥオーソならではの、しかもメータとの一期一会の記録として実に聴き応えのある録音と言えましょう。
独テルデック・プレス。これに関しては英本国盤よりも素晴らしい音質です。
店主おススメ。