ベートーヴェン/
交響曲第7番
交響曲第8番*
交響曲第9番
ヘルマン・シェルヘン指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団(ウィーン・フィル)
*ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
マグダ・ラースロ(S)、ヒルデ・レッセル=マイダン(A)、ぺトレ・ムンテヌー(T)、リヒャルト・スタンデン(B)
古楽奏法がポピュラーとなった今では奇抜な印象はありませんが、シェルヘンらしい、時代を先取りしたような切れ味鋭い快速のベートーヴェン。
でも第9のアダージョなど、打って変わってゆったりしみじみと歌うのはやはり一筋縄ではいかないシェルヘン流です。
これらは’51〜’54年の録音ですから当然モノラルですが、本盤は電気的にステレオ効果を与えた疑似ステレオとなっています。
一般的に疑似ステは違和感が大きかったり、鮮度が落ちるなど悪いことも多く、現在は敬遠されがちですが、ここでは意外なほど自然な仕上がりで、知らないで聴くとまだ十分なステレオ効果の得られていない初期ステレオ録音かと思うほどです。
鮮度も十分保たれており、弦楽合奏も艶やか、ウィーン・フィルの魅力もしっかり再現されます。
三方開きジャケットにそれぞれ盤を収めた3枚組、意外と掘り出しもの。