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2020年08月10日
 

 

Soulnote P-3

昨日、神奈川県相模大野にあるソウルノート社主催の新製品ミニミニ試聴会に、お得意様2人と参加してきました。
1回が3人までということでミニミニとは言っていますが、4日間、各日2回(各1時間半)の開催ですので全体では結構な規模。これを同社の開発・設計責任者の加藤秀樹氏がひとりで担当するのですから、ご本人にとってはかなりハードです。
今の時期、たくさん集まって試聴会、というのが出来ないための苦肉の策ですが、本当に久しぶりの試聴会となります(うちではいつも1人で聴いて頂くのが普通ですので、今までと変わらず試聴会を行っていますが)。

私たち3人は第2部、午後4時からの回で、試聴室に通されて早速開始です。
店主はもう何回もお邪魔しているお馴染みの試聴室(兼・音質検討室)ですが、お客様にとっては初めてですので、まず機材の説明から。
今回の目玉は発表したばかりの新しいプリアンプ P-3 で、まずはひと通りポイントを説明。設計者自身の解説ですから、カタログには無い開発秘話、ここでしか言えない話が聞きものです。

前半はこうした話題を散りばめながら、ひとつの音楽ソースを使って様々な実験を行いました。これがとても分かり易い。
かつて加藤さんはプリメインアンプがトータルで最も効率よく最適の設計が出来るので、当面はセパレートの開発は無い、と言っていましたが、前回大きな話題となったCD/SACD プレーヤー S-3 の開発での知見もあってブレークスルー、最上級シリーズではいよいよセパレートアンプを手掛けることとなりました。
でも敢えてプリアンプを開発するのなら、それを入れることでより高度な再生が達成されなければ意味が無いとのことで、最初の「実験」はまずプリメインのA-2(2台使ったデュアルモノ使用)で聴いて、その後、A-2 をパワーアンプとして使ってP-3 を接続、同じソフトを聴きました。
使用したソフト(Stereo Sound 誌のリファレンスレコーディング)の冒頭に「虫の音」が聞こえるのですが、ここを聴いただけでその差がはっきり分かります。
もうP-3 を入れないと聴けません(笑)

次が、グラウンド・セパーレーションの実験。
P-3 では左右チャンネルとコントロール系の3つの回路系において、それぞれのグラウンドを完全に分離しています。リアパネルにあるスイッチでそれを一緒に繋げることも出来るので、早速実験。
これもほぼ同じ効果が聴き取れました。リアのスイッチを入れることはないでしょう。

さてもうひとつ、これは加藤さんならではというか、普通のメーカーではまず却下という内容ですが、音質を頭打ちにしている原因を見つけると絶対に見過ごすことが出来ない加藤さん、何とかして製品として成り立たせながら音質を阻害する要因を取り除く工夫をします。
ACインレット(電源ケーブルを挿し込む受け口)に音の良さから大変高価なパーツを使うことになったのですが、なぜかこれを本体ボディにしっかり留めると音が死んでしまいます。
そこで苦心して本体筐体には留めずに巧妙な固定方法で解決。
まずそのまま聴いてから、特別にビスを使ってわざと筐体にインレットを固定して聴くと、あら不思議、これまた同じように平板な響きとなってしまいます。

同じようにディスクプレーヤーS-3 でも、ノンオーバーサンプリングとFIR オーバーサンプリングの音を聴き較べましたが、これもまた今まで試してきた実験と同じような差が感じられ、オーバーサンプリングでは音が平板に聴こえるのが興味深く感じられました。

不思議なことに、いずれの「実験」でも同じように音質が変化するので、加藤さんが裏で音質悪化スイッチを入り切りしているのでは?と思うほど(笑)でしたが、すっかり加藤ワールド体感コーナーを楽しませて頂きました。
加藤さん、百貨店の実演販売コーナーをやったらすごく売り上げるのでは、などと考えていました(これはもちろん感心しています)。

その後後半は、お客様2人がそれぞれお持ち下さったCDを片っ端から聴きまくり、ほとんどでぶったまげ、ソウルノートの実力にやられました。そうそう、試聴室リファレンスのスピーカー、PMC MB2-SE も最高のサウンドで応えてくれました。単なるモニタースピーカーに留まらない、素晴らしいスピーカーです。

気が付くと、大幅に終了予定時間を過ぎていました…。どの回も同じ状況なんだろうなあ。加藤さん、お疲れ様、ありがとうございました。
2020年06月21日
 
 
 
杉並公会堂を拠点とする日本フィルと、杉並公会堂&杉並区が共同で企画した「コロナ収束を願うコンサート」を聴きに行きました。

この特別企画は6月18日と19日、各日100名(ホール客席は1,190 席)で開催、区民公募(抽選)により行われました(無料)。
写真のようにシートに番号が貼られた指定席で、何人も空けて座るようになっています。
後ろの方だった私の席の列では他に座る人が無いくらいに空けてありました。いつものコンサートでは隣の人に腕がぶつからないように気にしながら座っていますが、今回は楽々、いつもこれくらいだと楽だなあ、などと思いましたがこれでも満席です。

午後2時から1時間強、正味50分ほどの公演で、日フィルの弦楽器メンバー4人によるカルテットが、だれもが楽しめるようにクラシックばかりでなく懐メロ(「憧れのハワイ航路」)や映画音楽(「80日間世界一周」),スウィングジャズ(「A列車で行こう」)など親しみのあるメロディばかりが続いて飽きることなく楽しむことが出来ました。
途中、第1ヴァイオリンの方が、曲についてだけでなくこれまでの苦労や日フィルの現状についてコメントしながらの演奏でした。

日本フィルはこれに先駆けて10日にサントリーホールで無観客によるライヴ配信コンサートを敢行していて、この模様は昨日(21日)にNHK で放送されていましたが、観客がいないため拍手などリアクションも無くしーんとして、どうしても違和感は免れません。奏者の方が「寂しいなあ、疲れた…。」と漏らしていたそうですが、今回のコンサートでは聴衆が居るのでちゃんと拍手も起こり、演奏会の確かな手応えがありました。

先日、楽団理事長の平井俊邦氏(元銀行マンで、企業再建に手腕を発揮してきた方です)が日経の取材に応じて日フィルの窮状を訴えていましたが、年間の半数ほどのコンサートを中止せざるを得ず、そのため年4億円の赤字になり債務超過に陥ると予想しているとのこと。自治体の予算や支援母体に頼らない自主運営の公益財団法人であるため、今までに無い存続の危機に陥っているのです。
 
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59570400W0A520C2BC8000/
 
https://www.japanphil.or.jp/orchestra/news/24224
 

杉並公会堂玄関前のシンボル 
2020年06月01日
 

BAYZ Audio Courante

お客様の希望で、BAYZ Audio ベイズオーディオという新しいメーカーのスピーカー Courante クーラントをご自宅に持ち込んで試聴して頂きました。

写真をご覧頂くと分かるように、ほとんど類を見ない独創的な外観にまず目を奪われます。ちょうど鎖の輪のひとつのような、太いパイプを長方形状に繋いだように見える(実際そうなのですが)造形は、現代彫刻として美術館に展示してあっても違和感がないほどです。

恐らくこの形状と細部を見て、「なるほどいい音がしそうだ」と直感する方と、「こんな変わった形でまともな音はしないだろう」と考える方とに見方は大きく分かれるだろうと思います。ちょうどかつてのB&W オリジナル・ノーチラスのように。
このお客様はもちろん前者で、ひと目で自分の今求めている音の出方を実現してくれる可能性を直感されました。

私自身もこのスピーカーは昨年の東京インターナショナルオーディオショウで是非聴いてみたい筆頭だったのですが、デモの時間帯が合わず聴けずじまいでした(ステラ/ゼファン・ブース)。
話題になりましたから、この時実際にお聴きになった方もおられるでしょう。
そんなこともあって今回この機会に聴くのを楽しみにしていました。

実はこのスピーカー、形状と同じくらい驚く点がもうひとつあります。
重量です。
高さが約1.4m、奥行き40cmあるにもかかわらず、13kg しかないのです(分離出来る台座を除く)。はるかに小さな当店リファレンスの小型ブックシェルフ・スピーカー、パラダイムのPersona B が14kgですから、これよりも軽いことになります。
これは本体の材質に秘密があります。F1カーのモノコックボディや競技用飛行機に使用される、特許のコンポジット材(PMC)で出来ているからです。
設計者のゾルタン・ベイ氏は通常の常識とは正反対に、超軽量なキャビネットを目指しました。
とにかくこのスピーカーは技術的な特徴が盛り沢山で、ここではご紹介しきれませんので、ご興味のある方はこちらをご覧下さい↓
https://www.zephyrn.com//bayzaudio/page/courante.html

大きなスピーカーであるにもかかわらず出張デモがスムーズに行えたのは、この軽さのお陰でした。
高さはあるものの幅は19cmと、トールボーイ・スピーカーほどの専有面積しか必要としないので設置も楽、後々のセッティング調整も簡単です。

さて実際に鳴らした結果は、まずは置けるところに「ポン置き」だったにもかかわらず、お客様のリスニングスペースが十分大きかったのも奏功して、始めから充実のサウンドを披露。
全方位スピーカーというと、どうしても少し特殊な鳴り方、音が拡がってスピーカー自体から音が出ているという感覚から解放されるものの、音像が捉えにくかったり、音場の緻密さに欠けるなど、トレードオフの点もあるように感じていました。

しかしクーラントは全方位型として期待する音場の拡がりが素晴らしいのはもちろん、かつ、通常のスピーカーのような音像定位の気持ち良さも兼ね備えているので、いつものスピーカーで聴くのと同じように楽しむことが出来るのです。能率の良さもあるのでしょう、音が細くならずリスニングポイントに届いてくるので実体感もあります。
しかしやはり、2つのスピーカーの外側を大きく超えて部屋の前方一杯に拡がるステレオイメージは何といってもこのスピーカーだけのもの。

ジャズ・トリオをバックにしたヴォーカルを聴きましたが、これはまさに部屋の一角に彼らを招いて演奏してもらっているよう。通常の優れたスピーカーはピンポイントでヴォーカルが浮かびますが、浮かび上がるのは「口」(くち)。クーラントではほぼ等身大の歌い手のボディそのものが「見える」のです。
また、カラヤン一世一代のスペクタクル、ヴェルディの「アイーダ」(ウィーン・フィルとの新録音)では、ほとんど天井知らずのダイナミックレンジと広大なステージを提示、もう脱帽!
そのまま即決で導入頂きました。誠にありがとうございます。

特別なスピーカーではありますが、多くの方に聴いて頂きたい製品です。
2020年04月01日
 

バイロイト祝祭大劇場

ウィルス感染防止策で様々な制限が課せられるなか、いかがお過ごしですか?

店主は元々ほとんど自宅と店の間を往復する毎日ですので、いつもとそれほど変わりませんが、電車に乗って出かけるのは控えています。
家内はまだ普通の通勤を続けていますが、弟の会社は今日から自宅勤務です。

人が集まる催しのほとんどが中止となり、楽しみにしていたコンサートも既に2,3は中止、ひとつは延期となりました。4月~7月までのコンサートチケットがまだ5枚あるので心配です。

先日は、毎年恒例の音楽祭、「ラ・フォル・ジュルネ・TOKYO」(5月、今年はベートヴェンがテーマ)も中止が発表されました。主に多くの出演者が来日出来ないとの理由でした。

そんななか、今度は今年7月開催予定のバイロイト音楽祭が中止と決まったとのニュースが入りました。ワグネリアンでなくとも多くのファンが心待ちにしている世界的音楽祭だけに残念です。
となると、同じ頃にオーストリアのザルツブルクで開かれるザルツブルク音楽祭は大丈夫でしょうか? 心配です。

一方、オーディオ関連では、早々と世界で最も注目を集めるショウとして期待されていた「ミュンヘン・ハイエンド2020」(5月)が中止を決めています。
国内では6月に恒例の「アナログ・オーディオフェア」(6月21~22日)と「音展2020」(6月6~7日)が予定されていますが、このままだと予定通りの開催は難しいのではないでしょうか。

無い無い尽くしで気が滅入りますが、音楽&オーディオ・ファンは自宅でもやることに事欠かないのが取り柄。
LP1枚続けてじっくり聴いてみる、プレーヤーやスピーカーのセッティングし直し、レコードのクリーニング、コネクター接点のクリーニング等々、普段、時間が無かったり面倒くさくてやっていなかったことを、この際やってみてはいかがでしょう。

店に来られなくても、メールや電話でこの際じっくりご相談も有りですよ。
2020年02月28日
 


今まで店頭の常設試聴スピーカーとして活躍してきたスペンドールのSP1/2R2 が、モデルチェンジで新型のClassic 1/2 にバトンタッチしたため入れ替えることとなり、販売してたのですが、このたびお客様のところへ送り出すこととなりました。

長い間多くの方にこのスピーカーで聴いて頂き、いよいよ音もすっかりこなれて(同時にエンクロージュアの板材もすっかりいい感じのあめ色に!)ほれぼれするような響きを聴かせてくれていましたので、店主も大変気に入っておりました。

今度は奈良県の、タンノイ,B&W,ハーベスと英国スピーカー遍歴を重ねてきたお客様のもとで再び活躍してくれることでしょう。
お買い上げ誠にありがとうございました!
2020年01月29日
 
2人のお客様+手伝いの店主による恒例のカートリッジ会、若手メンバーが遠方からお越し頂ける運びとなり、新年早々の開催が実現。お二人は既に前夜祭(?)と銘打って前夜の別会場(西荻窪の居酒屋、ヴェテラン・メンバーのお気に入り)にて研究成果を披露し合った(?)そうです。

若手メンバーは午前中、エサ箱パトロール(中古レコード探し)を済ませ、「あまり収穫は無かった」とはいえ、レコードバッグが膨らんでいます。
手始めにSONY のカートリッジ2つを聴き比べてからスタート。まずレコードは寺島レコードの『WALTZ NO.4/大橋祐子トリオ』。ジャズピアノを聴く時によく使う盤です。


Victor MC-1

ビクターのMC-1 は毎回必ず聴かないと気が済まないようで、今回は早くもトップバッターで登場。いつもながら最新カートリッジに引けを取らぬ再生に納得。
この後はやっぱりDL-103 でしょ、ということで今回はGold。


DENON DL-103 Gold

さらに続けて、


YAMAHA MC-5


Dynavector KARAT17D2

ヤマハはクール、ダイナベクターはさすが付帯音なく締まりのある音。

ここで一休み、ティータイム。荻窪の美味しい(と店主は思っている)大福をほおばります。

今度はレコードを『ボビノ座のバルバラ』に。仏オリジナルのステレオ盤です。
立て続けに5つを聴き比べ;


Entre EC-35


FR FR-1


ADC TRX-2


AKG P25MD


Entre EC-15

アントレはどちらもバランス良好、FR は意外と張りのある音、ADC(このTRX-2 も常連)は低域太く、AKG は予想通り軽やかでしなやか。

ここでモノラル盤をかけましょう、と用意されたのはSHURE M44-5 に1ミルの針を着けた特別仕様。レコードはシューリヒトのブルックナー/交響曲第9番(プライヴェート盤);


SHURE M44-5

最後にゴールドリングでビートルズと、もうひとつのアントレでリヒテルのベートーヴェンを聴いて終了。
もう外はすっかり暗くなりました。
最後にはお二人ともしっかりとアクセサリーやレコードをお買い上げ、お気遣い誠にありがとうございます。

また次の機会によろしくお願い致します。
2020年01月12日
 

「くるみ割り人形」

毎年日誌にも書いていますが、クリスマス(クリスマスイヴ)に「くるみ割り人形」,年末にベートヴェンの第9,正月にウィンナ・ワルツを、毎年一枚ずつレコードを選んで聴くことにしています。CDは対象外。

ということで今年は、まずクリスマスイヴの24日の「くるみ割り人形」にはイゴール・マルケヴィッチ指揮のフィルハーモニア管弦楽団盤(英COLUMBIA/ SAX2339)。全曲ではなく組曲での収録です。
さすがはマルケヴィッチ、メルヘンなどという甘っちょろさとは無縁、切れ味良く実にシンフォニック。お気に入りの1枚ですが久し振りに堪能しました。


「第9」

今年の暮れの第9は、ちょっと珍しいコンサートホール盤。ウィレム・ヴァン・オッテルロー指揮のハーグ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏(日Concert Hall/ SM-2400、2枚組、8番を併録)。
近年再評価の兆しのあるオランダの指揮者オッテルローは、1949年~1972年の間、ハーグ・フィル(ハーグ・レジデンティ管弦楽団)の首席指揮者を務め、この楽団の発展に大きく貢献しました。
これは'64年の録音で音質も良好、正攻法かつ力感に溢れたスケールの大きな演奏。機会があれば是非訊いてみてください。


「ウィンナ・ワルツ集」

さて、正月のウィンナ・ワルツは実は機会を逃していて、まだ聴いていません。でも盤は選定してあります。カラヤン指揮のウィーン・フィルハーモニー盤(米RCA/ LSC-2538)。
1959年録音の「ウィーンのヨハン・シュトラウス」と題したアルバムです。颯爽としたカラヤンの演奏は新春に相応しいはず。早く聴こう、っと!
2020年01月04日
 


新年明けましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願い致します。

今年も三が日ともとても良い天気で気持ちの良いお正月を過ごすことが出来ました。
今日から店を開けています。

今日は店に出る前に氏神様、白山神社にお参りに行って、いつものように店のお守りの破魔矢を戴いてきました。
地元の氏神様は別なところ、天祖神社という小さなお宮で元旦の初詣もそこにお参りに行きますが、店は荻窪駅近くにあるので、最も近い、駅の北側の商店街外れにある白山神社を氏神様ということにしています。
三が日も過ぎた今日はさすがに空いていて、ひと組待っただけで本堂のお参りが出来ました。

今年も皆様には良いことが沢山ありますように!
2019年12月15日
 
私どものお客様でたまたま近くにお住まいのおふたりを、それぞれのご自宅に案内してお互いのオーディオシステムを聴く会、というのを行いました。もちろん店主も同席して一緒に楽しませてもらっています。
既に先日、まず一方の方のところへお邪魔して実施したので、今回はホストが入れ替わっての2回目となります。

ところでこのお二方、K様とW様、共通するのは音楽への深い愛、というくらいで他は実に対照的。
K氏はヴェテランのオーディオマニアで、趣味としてはオーディオのほうに重心があり、W氏は明らかに音楽ファン、その音楽を出来る限り良い音で聴きたいがためにオーディオも追及している、という具合でアプローチは真逆。

聴く音楽ジャンルも、K氏は演歌,ロック,ジャズからクラシックまで、気持ちいい音で聴ける音楽なら何でもOKであるのに対し、W氏はクラシック・オンリー。

オーディオの聴き方も、K氏は広大なリヴィングルームに小型スピーカーを設置、遠く離れた位置で比較的絞った音量で聴かれるのに対し、W氏は7畳ほどのスペースながら防音処理を施した専用オーディオルームに大きなフロアスタンディング・スピーカーを設置、完全なニアフィールドリスニングでフルオーケストラを実演さながらの音量で聴かれます。
こうも嗜好が違うと普通ならほとんどお互い相容れないという事態にもなるのですが、そこはおふたりとも常識人、かつ紳士であることが分かっていますので、私どもも安心してお互いをご紹介することが出来ました。

今日は店主がまず車でK氏のところへ伺って一緒にW氏宅へ向かう手はず。
K氏からはせっかくなら少し寄って最新の音を聴いていって、ということでしたので早めに伺いました。


AUDIENCE スピーカー


TRINNOV プロセッサー

聴かせて頂いたのは少し前にお納めした特徴的な小型スピーカー AUDIENCE Model 1+1 V3 で、わずか7cm ほどのフルレンジドライバーがフロントとリア―に1個ずつ(各側面にはパッシブラジエーターがそれぞれ1個ずつ計2個)着いた構成です。
これをただドライブするのではなく、その少し前に導入したTRINNOV のプロセッサーST2 HiFi を併用して鳴らすというもの。
常人からするとトリノフを使うならもっと大きな普通のスピーカーに、などと考えてしまいますが、この方はメインスピーカ―にはMAGICO Q1 をお使いで、トリノフは同時にこちらにも接続してあります。それでも並行してシームレス(フルレンジ)な点音源を常に探求しておられ、現在試しているのがオーディエンスのスピーカーというわけです。
まずトリノフ無しで聴くと、予想していたより朗々と鳴り、少し細身ながらもヴォーカルはすっくと正面に立ち、声の質はまさにシームレス。フルレンジならでは。
次にトリノフを入れると最初の一音でその差が歴然! 不思議なくらいスピーカーの外側に音がパーッと拡がって、しかも見通しが良くなりました。
これが「トリノフ効果」で、単にグライコではなく高度な位相補正を行っている証拠です。
今は曲によってはオーディエンスで聴くことのほうが多い(!?)そうですが、お仕事でほとんど時間が取れないなか、短期間に部屋を含めてトリノフによる補正をすっかり手中にされているのには感服致しました。お納めしたその場で試してみた補正効果とは雲泥の差です。

さていよいよK氏と一緒にW氏宅へ向かいます。車で10分足らず。
ご挨拶もそこそこに早速2階のリスニングルームへ。中央のゲスト用シート以外にもちゃんと2席用意して下さいました。
さっきは遠くに小さなスピーカーが見えていたのとは対照的、今度はイタリア Franco SerbrinKTEMA クテマ、眼前に大きな縦長のスピーカーが置かれています。
これをドライブするのは同じくイタリアのメーカー Audia オーディアのプリアンプ FLS1 とパワーアンプ FLS4


Franco Serbrin KTEMA


Audia FLA1 & FLS4

まずはウェルカム前奏曲ということで、ワーグナーの「ニュルンベルクの名歌手」前奏曲。
K氏は本当はレコードも聴きたかったのですが、残念ながらW氏はレコードからは完全に足を洗って(?)いて、現在の音源はCDのみ。K氏には事前にお話ししていたので多くのCDを持参下さって、中からK氏の「音のリファレンス」となっているジャズと演歌のCDをじっくり聴かせて頂きました。
演歌を本格的なシステムで聴く機会は多くないですが、一流の録音・制作によることもあり、なるほど、声の伝わり方が尋常でなく、実際に会場に居て生を聴いているような感覚に襲われます。
「われわれ日本人の聴覚にとって、システムの音の判断という目的ではこうした日本語の歌がとても分かり易いのです。」というK氏の言葉は説得力があります。

ジャズもいくつも聴きましたが、最近の好録音、寺島レコードの大橋裕子トリオ盤は元々この録音が少々低音過多なのが災いして低域が膨らみ過ぎ、このスピーカーの一筋縄ではいかない難しさを改めて教えてくれました。同じジャズでも、かつてのレコード全盛期の盤では大変バランス良く鳴り、クテマがクラシック音楽系専用などといった狭量なスピーカーではなく、高度な音楽性を身につけていることが分かります。
その証拠に、最後の方で聴いたピンク・フロイドは最高の快感! そういえばクテマの制作者、フランコ・セルブリンはロックも大好き、と聞いた覚えがあります。

最後はレスピーギの「ローマの松」から古のローマ軍がアッピア街道を凱旋行進する圧巻の場面をフルヴォリュームで(シノーポリ指揮ニューヨーク・フィル)。 これは爽快!

あっという間に数時間が経ち、気が付くと外は真っ暗に。
お二人ともこのたびは有難うございました。また機会がありましたらいつでも声をお掛け下さい。
2019年10月18日
 

 

 
お得意様から引き取ったアキュフェーズのインテグレーテッドアンプ、E-350 を修理・点検に出しに同社本社まで行ってきました。
 
修理といってもフロントパネルにある出力メーターの照明が点かないだけで、動作には問題無いようですが、販売するにあたってひと通りのチェックをお願いしました。
点検完了して戻ってきたらクリーニングをして販売する予定です。
 
さてその帰り、アキュフェーズ社のすぐ近くにちょっとしゃれた外観のレストランを発見、全く初めてのお店でしたがランチに寄ってみることにしました。
店内は予想以上に広く、落ち着いた雰囲気。ランチセットの中からお店の得意そうなメンチカツセットを頼んでみました。

出来上がってきたのが下の写真。
とんかつに見えるかもしれませんが、ころっと丸いメンチカツ2個をそれぞれ半分に切って並べてあるのでそう見えるのです。サラダ+キャベツの千切り(これもちょっととんかつ風ですね)もたっぷりで、定食セットとしてなかなかのボリューム。味噌汁と小鉢も付いています。
肉汁もたっぷり、思ったよりあっさり、美味しく戴くことが出来ました。
お店は「カルネの星」。こちら方面(青葉区)に来た際にはまた立ち寄ってみたいお店です。
2019年07月26日
 

 

 
分厚い雲の間ではありますが、久々に青空がのぞきました。台風の影響だそうですが。
写真が小さいのでちょっと見え難いと思いますが、ビルから突き出した当店の看板を一緒に写しました(大きめの緑色の看板の上)。

梅雨が明けるといよいよ本格的に蒸し暑くなるんだろうなあ。
2019年06月30日
昨日,今日と2日間、Holbo Airbearing Turntable の試聴会では、多くの方に足をお運び頂き誠にありがとうございました。
2019年05月20日
 
 
今年も楽しみしていたアナログオーディオフェアに行ってきました。

会期2日目、日曜日のお昼頃到着し、去年と同じく1階玄関のすぐ先にあるアスカオーディオで久々に浅井氏にご挨拶。ここは純マグネシウム製外周スタビライザーがおススメ。

2階は音出しこそ出来ないものの、数多くの小規模メーカーが露天商のごとく机を並べる大部屋。卓上に色とりどりのアクセサリーが所狭しと並んでいるのを見ると、まるでお祭りの出店(でみせ)を覗いているようなワクワク感があります。ほとんどの出展社がとても親密にお取引きしているところばかりなこともあり、店主にとって、いつも最も期待の膨らむ部屋です。

入ってすぐ脇ではKirmus カーマスオーディオの超音波レコードクリーニング機のデモが行われていました。デモしているのは白衣を着た、でんじろう先生?ではなくて、輸入元ナスペック・営業の水次さん。
動作音が静かなのを再認識。新しいオプションの3枚LP用ドライヴも予想以上に好評とのこと。

隣は真空管アンプの老舗、上杉研究所。やっているのは既に上杉氏ではなく藤原氏ですが(ちょっと日本史的に)。
目玉は最新の300B シングル・パワーアンプ、U-BROS-300AH。好評のU-BROS-300 の後継機ですが、ヒーターを交流点火として音質改善。
藤原さんによると、U-BROS-300 は好評でまだ当分そのまま継続販売するつもりだったが、研究中に試したヒーター交流点火の予想以上の効果に注目、変更しないわけにいかなくなったとのこと。


UESUGI U-BROS-300AH

この部屋では唯一の大手メーカー audio-technica は意外にもフェア初出展。まずは様子見か、大部屋にこじんまりと、企業規模からいったら控えめ。
このところ、ここはアナログ関連にもしっかり新製品が目立つようになりました。「いよいよ本気ですよ!」と担当のヴェテラン、中尾さんは鼻息も荒い!
新しいプレーヤー AT-LP60X は12,900円の超エントリー機ながら安っぽくなく結構カッコイイ。フルオートプレーヤーはあまりお勧めしてませんでしたが、同じ価格帯の得体の知れないプレーヤーを買うくらいならこちらをおススメ。

中電(チュウデン)はその名を知る方は少ないと思いますが、OEM中心にカートリッジなどアナログ・アクセサリーをコツコツと作り続けてきた専業メーカー。
手頃なMMカートリッジやヘッドシェルなどが主力ですが、今回ローラータイプのレコードクリーナーとスタイラスクリーナーのプロトタイプを展示。価格も手頃なので完成が楽しみです。近々ご紹介出来るでしょう。

KRYNA クライナはナイスアイデアの「プレーヤー2アーム改造ベース」の試作品を展示。これを使うと手持ちのプレーヤーが簡単にダブルアーム・プレーヤーに変身! 価格も85,000円ほど(予価、アーム別)と手頃。興味のある方も少なくないのでは?

Belldream ベルドリームサウンドは超ロングラン製品、超音波レコード洗浄機の草分け US-60V を展示。
長年、多数の販売実績の中で故障皆無という、流石は国内専門メーカー製。
価格もリーズナブルで、改めて注目されてよい製品です。

47研究所にはちょっとした大物が。
新製品のターンテーブル「Simple Koma」とトーンアーム「Exact Trace」です。
ダブルアームでの展示ですが、それでもかなりコンパクト。スマートで魅力的なデザインはさすが。アームはワイヤーと滑車型のヘッドシェルを用いたオフセット角変動型。
ベルトドライヴのモーターはバッテリー式。しかもそれぞれが30万円ほどと価格も魅力的。間もなく完成とのことです。




47研究所のプレーヤーとアーム

Analog Relax アナログリラックスには相変わらずよく人が集まります。
製品の魅力もさることながら、主宰する万木(ゆるぎ)さんのお人柄によるものと思います。
高価ながら、新製品のMCカートリッジ EX1 が好調とのこと。最近は北米、ヨーロッパと販路を広げつつあります。

PHONOPHILE フォノファイルの高橋さんは今回2度目の出展。
先日お借りした新型レコードスタビライザーや、ベース部分を天然木で作った3連カートリッジキーパーは近々販売となる模様。乞うご期待。

FURUTECH フルテックでは得意のNCF配合の新しい電源プラグを紹介頂きました。従来のロジウム・メッキに加え、ゴールドとシルバー・メッキを揃えました。ボディはステンレスとアルミから選べるのも特徴。

三進興産って?? 初めて聞く社名でしたが、ソルボセインと聞いて分かりました。オーディオ好きなら聞いたことがあるでしょう、米SORBOTHANE 社の高機能衝撃吸収素材です。インソールなどが主力商品ですが、この度自らオーディオ分野に初進出。
真鍮と黒檀、そしてソルボセインを組み合わせたインシュレーターで、高さ調整も可能(3個セット)。
耐荷重は1個/13kg ですので3個で39kg、大型のアナログ・プレーヤーにも使えます。

4階もお馴染みのメーカーが並んでいますが、中でも今回「店主の注目一押し」がAir Tight エアータイトにありました。
真空管フォノステージアンプ、ATE-3011。もうだいぶ前からフェアがあるごとにひっそりと参考展示されていたのですが、3年余の開発を経ていよいよ今回は正式なお披露目となりました。

すべて新設計となる完全な新製品で、RIAA以外の多くのイコライザーカーヴに対応出来るのも同社初。2つのノブでターンオーバーとロールオフを別個に選択、組み合わせてカーヴを決定、特徴的な中央の透明インジケーターはその表示窓です。
この夏の発売を目指して最後の仕上げ中。私どもでも試聴会が出来ればと考えております。


Air Tight ATE-3011

5階の大部屋では先頃高級フォノイコ DCEQ-1000 を発表したオーディオデザインがちょうどデモの真っ最中。
PC画面を交えてのそれは、デモというよりプレゼンテーションという感じで、製品の特徴を分かり易く説明、一方、音出しデモには懐かしい すぎやまこういち の「オーディオ交響曲」をかけるなど、大のオーディオマニアである設計者・大藤氏の面目躍如。
ちょっと過激な、覆面他社高級フォノイコとの一対一比較試聴もとても分かり易く、来場者の心(いや、耳?)を掴んだことでしょう。
2019年04月17日
 







 
オルトフォン社100周年記念の一環として新しく限定発売されたSPU Century を聴いてみました。

結論から申しますと、予想を超えて素晴らしいものでした。

ご存知SPU はオルトフォンにとっても愛好家にとっても特別、特にわが国では熱烈なファンの多いカートリッジで、それ故、新型のSPU が出ると常に聞かれるのが「モダンなSPU などSPU とは呼べない」という言葉。
これはその新しいモデルを聴いてというよりは、聴くまでもなく、ということも多いようです。

確かにその気持ちは分かります。オルトフォンももちろん、それを誰よりも分かっているから、つい最近、初心に帰ったSPU#1 シリーズを発表しました。しかも驚くほどリーズナブルな価格で。
一方でSPU はまだまだ新しい試みを受け入れる懐の深さがあるし、設計者としてはそれにチャレンジしてみたい。それにはこのセンチュリーイヤーという大きな節目は相応しい機会であるのも確かです。

とは言ってもその音をどう仕上げるのか、これは今までも様々なSPU 派生モデルや特別モデルの企画が持ち上がった時にも同じように直面した問題のはずですが、いかにもSPU らしいオリジナルに忠実な音にするのか、外観はSPU でも最新の成果を盛り込んで現代的SPU として仕上げるのか、その落としどころには設計者、レイフ・ヨハンセン氏も散々熟考を重ねたことでしょう。
いや、彼はむしろそこに迷いはなく、初めから明確なヴィジョンをもって完成させたのかもしれません。聴いてみると、それほどすぐ分かる、誰もが納得の、これ以上ないほど熟成して、かつ古めかしさなど微塵もない実に新鮮な音で響くのです。

但し、並み居る最新鋭カートリッジとはまた明らかに一線を画す再生であるのも確かで、これはやはり「Gシェル」をもつこの形でないと実現しないのでしょう。
今回このGシェルはご覧のように最も目を引く部分でもあり、今までは粉末木材を樹脂で成形したものであったのに対し、無垢のブナ材をCNCマシンによって精密加工したボトムカバー(下半分)を採用しています。
この波打った不思議な形状は、ヴァイオリンやギターなど弦楽器の形状をイメージしてデザインされたそうです。
そう言われて聴くと、なるほど木製楽器の奏でる響きにどこか通じるところがあります。

私自身は熱烈なSPU 信奉者ではありませんが(SPU は大好きです)、これならSPU 型ということを抜きにしても欲しいなあ、とつくづく思いました。

世界限定250個の限定生産です。ご興味のある方は、どうぞ声をお掛け下さい。
https://www.maestrogarage.com/contact
2019年03月04日
 
恒例のカートリッジ会は現在、若手メンバーが遠方からお越し頂かなくてはならないため、半年に一回開けるかどうかというところですが、今回手が空いているうちにということで、昨年末開催してから2ヶ月ほどでまた開けることになりました。
わざわざのお越しありがとうございます。
 

 
今日はかけるレコードをほぼ1枚に決めて同じ曲を様々なカートリッジで聴いてみます。
選んだレコードはチャーリー・ヘイデンとパット・メセニーのデュオによる「Beyond the Missouri Sky」。

早速まず今は無き往年の名ブランド、SATIN のM-Ⅱでは、目の覚めるような切れの良いギターが。



次はMMでの人気ブランド、GRACE のF-8。但し針はシバタ針のついた後年のもの。



続いて、いつも1回聴かないと収まらない VICTOR MC-1 を表敬訪問。
現代のカートリッジに引けを取らぬサウンドに感嘆しながら、次は米ADC 特集。


ADC QLM-34 Mk-3


ADC QLM-36 Mk-2



ADC VLM-Mk2


ADC ZLM


ADC TRX-1

価格ごとにしっかり音質が向上するのを確認、日本製のOEMとなったTRX-1 を最後に聴いて今回の会を締めました。
2019年02月24日
 

 

 
先日から私どもでもPayPay が使えるようになりました、とご報告しましたが、今日来店下さったお客様(「カートリッジ会」メンバー)が初めてこのお支払い方法を利用してお買い物をして下さいました。

そうしたら何と、決済に使った携帯の画面に、
「おめでとうございます!1,000円のキャンペーン金額プレゼント当選!」
の文字が! 只今、PayPay は100億円キャンペーン第2弾を実施中なのです。
今回は、約2千5百円のお買い物で千円のプレゼントが付きました(PayPay でのお買い物で使える金額です)。
 
皆さんも是非利用してみて下さい。

*携帯に専用アプリのダウンロードが必要。
*現在、一回の利用金額の上限は2万円。
2019年02月11日
 

 
車にお乗りの方、洗車はどうされていますか?

私は、ガソリンスタンドや洗車場にある、大きなブラシが自動でぐるんぐるん回る暴力的な洗車機は塗装にキズがつきそうで(もう、そのようなことを気にするほどきれいなボディではないのですが..)、利用したことがありません。
自分で水をかけて手で拭き取っていますが、ひどく汚れた時はたまにコイン洗車場に行って洗剤を吹き付けるフルコースで洗います。
でもそれもこの5~6年(いや、もっとか?)は面倒でコイン洗車場から遠ざかっていましたが、先週、雪のある地方へ行って来たためだいぶ汚れたので、久し振りにいつも利用する近くのコイン洗車場へ行くことに。
ただ前回行ってからかなり経ちますので、ちょっと嫌な予感がし、念のためネットで調べてみると予感的中、すでに無くなって建物が建っているとのこと。
近場で他のところは無いものかと検索しましたが、杉並区内にはどうももう無いようで、練馬区のコイン洗車場も閉鎖、ようやく少し離れてはいますが、世田谷区と三鷹市の境界付近にある「ドルフィンパーク」というところを見つけました。
今更ながら気が付きましたが、23区内からは急速にセルフ・コイン洗車場は消えつつあるようで、それはそうでしょう、広いスペースが必要なわりに収益性はどう見ても高そうでなく、機器の保守も必要、都内の自動車保有率もどんどん低下しているでしょうから客数も減少傾向に違いなく、余程余裕のある地主さんなどでない限り続けていくのは大変でしょう。
比較的近い(と言っても30分ほどかかりますが)この「ドルフィンパーク」は何とか続けていってもらいたいものです。それには利用してあげなくちゃね(ここのところは、うちも全く同じです、よろしく)。

早速行ってみたドルフィンパークにはスプレーガン洗車機のブースが4つあり、規模も満足のいくものでした。
ただ、どこも同じようですが硬貨しか使えないのに両替機は無く、代わりに缶飲料自販機が置いてあります。久し振りなので硬貨を用意しておくのをすっかり忘れて、飲みたくもない缶コーヒーを買う羽目に。
利用した、洗剤とワックスのスプレー放射を含むコースは700円也。これは以前のところと大体同じくらいです。

久し振りにすっきりきれいになってクルマも喜んでいるように見えたのも束の間、2日後に少ないながらも雪が降って車体にも積もってしまいました。雪は大気中のチリやホコリを結構含んでいるようで、せっかくきれいにしたボディにはまた汚れがついてしまいました(写真はフロントガラスの汚れ)。トホホ。

「雪が降るのは予報で分かってたでしょ!」との家内の指摘にさらに凹みながら、「よし、またきれいにしてやるゾ!」
2019年01月21日
 

 

 
昨年9月の強烈な強風のため一晩で、店舗エントランスに設けてある日除けテントの先端フリル部分が2ヶ所裂けてしまい、50cmほどぶらんと垂れ下るトホホの事態となりました。
みっともないのでガムテープで破れたところを貼って、取り合えず垂れ下らないようにしました(写真1,2,3)。
もちろんこのままには出来ませんので、テント屋さんに補修を頼んだところ、裂けたところを補修することは出来ず、全体の張り替えになるとのことで、ちょっとすぐにはお願い出来ないような見積もりが出てきました..。

資金を貯めてお願いするしかないな、と考えて少し経つうち、店舗損保保険代理店の方が3年に一度の更新手続きにみえました。
書類に記入しながら何気なく世間話で「そういえば、先日の台風で店のテントが破れて酷いことになってしまったんですよ。」と言うと、「それは保険きくはずですよ。申請しましょう。」と心強い言葉!
写真を撮ったり手続きをしてくれました。
2週間ほどで保険がおりてすぐに支払いもして頂き、保険の有難さ身に沁みました。次の保険料、2倍払ってもいいな、と思った次第(実際には規定通りしか払ってませんが)。

この時期の台風・強風で店舗の看板やテントが破損したところは多く、テント屋さんは大忙し。実際の張り替え作業は2ヶ月以上経った今日、ようやく無事済んですっかりきれいになったテントが写真4です(小さくてスミマセン)。
めでたし、めでたし。
2019年01月03日
 
恒例の「カートリッジ会」、現在はメンバーのお一人がわざわざ遠方から泊りがけで駆けつけて下さるため、ほぼ年一回の開催となっています。
前回は昨年1月に新年会を兼ねての開催でしたが、今回は同じ年の12月となりました。

今回も地元メンバーの方は数10個のフォノカートリッジを整然とキャリッジ・ケースに収めてキャリングバッグで参加下さいました。
若手メンバーのリクエストで、まずその中から DENON DL103 Gold とオリジナルのDL103 の比較試聴を、DAMの45回転LPによるジャズで行いました。


 

 
次は、カール・ミュンヒンガー指揮するシュトゥットガルト室内管弦楽団による英DECCA 盤 バロック名曲集を、3種類のカートリッジ、Ortofon SL15Mk2 (SPU ヘッドシェル入り),YAMAHA MC-11,MC-5 でたっぷり堪能しました。

このところは、メンバーお二人も約1年ぶりに会うので、沢山のカートリッジをどんどん付け替えてひたすら聴く、というよりは積もるお話の合間にじっくりとレコードをかける、といったスタイルになっています。
お二人とも、今回もありがとうございました。


 

 

 
2018年11月17日
 
今年もTIAS、行ってきました。
注目,おススメ,期待の製品を駆け足でご紹介。


 
いつもは一番上から行くのですが、今回はたまたま降り立った4階から。
大きなエレクトリのブースはいつもどおりMAGICO のスピーカーでデモの真っ最中。遠くから見たのではっきりしませんでしたが、恐らくM3 でしょう。
やはりいつ聴いても素晴らしいというほかない再現で、現代のスピーカーの最高峰のひとつであろうことは間違いないようです。オーディオ的にも、もちろん音楽的にも。
この後に、アメリカン・ハイエンド・スピーカーを長らくけん引してきたWILSON AUDIO とAVALON を聴くことになりましたが、MAGICO はさらに次の次元に進んでいる感を強くしました。
MAGICO では最近発売となったA3 がグンと身近になった価格で大好評を博していますが、上の写真はその内部構造の展示です。上級機に比べれば簡略化されてはいるものの、まるでビルディングのような骨組み構造が音の秘訣のひとつであることは確かです。骨組みを核としてすべてのパネルを内側からビス留めするのですが、まるでパズルのよう。



次はお隣のアブサートロン。
今回は長年扱ってきている米Boulder の新製品、小型フォノイコ508 が主役です。
スピーカーはWestlake Audio としては家庭用サイズのLc3W10VF。
伊藤社長がかけるレコードは懐かしいジャズやアメリカン・ポップス、ウェストレイクのスピーカーがそれらしくいい気持で歌っていました。因みにアナログプレーヤーはLuxman。



トライオードはいつも満員御礼。
店主が秘かに楽しみにしている新型845 真空管アンプのプロトタイプが展示されていました。しかもブランドのバッジを見ると、JUNONE。845 を使ったアンプとしてはかなりコンパクトにまとめられていましたが、形になるのはまだ少し先だそうです。



毎回音を聴くのを楽しみにしているハイエンド・ブースでは、スピーカーがいつもの立派な独Lansche Audio ではなく、スタンドに載った細長くコンパクトなスピーカーが鳴っていました。これはドイツのKii Audio というメーカーのKii Three というアクティヴ・スピーカーで、DSPと6基のパワーアンプを搭載しています。
特殊なスピーカーですが、サイズを大きく超えた切れの良いサウンドを披露していました。
それにしてもいつもここはかけるCDの音が良く、アトラクティヴ。

 

フューレンコーディネートではメインのスピーカーは今年もPIRGA。鳴っていたのはMLS3 でこれも流石に素晴らしい音でしたが、大変高価(写真上)。
音は聴けませんでしたが、デンマークDavone のTwist は、デニッシュ・デザインならではのスタイルが魅力的でした(写真下)。



ラックスマンのブースはいつも常に満員状態。
さりげなく置いてある中に注目の新製品を見つけました。真空管プリとしては同社のトップモデルとなるCL-1000 です。凝ったデザインにまず惹かれましたが、これは約40年ほど前のC-1000,C-1010 を踏襲したもの。300B パワーアンプMQ-300 とペアを組む待望のプリアンプです。来週発売予定。
FOCAL のスピーカーはSOPRA No.2 が鳴っていましたが、ジャック・マユール時代の音質を受け継いだ張りのある音を聴かせてくれ、新しいKANTA は新世代ラインであることを再認識しました。



ロッキーインターナショナルには、英国Wharfedale のチャーミングなスピーカーDENTON 85th が。85周年記念の限定モデルですのでご購入はお早めに。





ナスペックではこれまたコンパクトなスピーカーが朗々と鳴っています。英Monitor Audio の新製品でStudio という新しいラインになるようです。
とにかく音離れが良く、キレもあってしかも心地良いサウンドに引き付けられました。かなりの音量で鳴らしても破綻なく、低域も十分。外観も上質でデザインも新鮮、それで価格がペアで22万円と聞いて、改めて驚きました。
これは今後、当店の小型スピーカーおススメに加わることは間違いないでしょう。
参考展示のようでしたが、PRIMARE のスリムなCDプレーヤーとアンプがありました。現行35ラインの下位シリーズのようです。





タイムロードには新しく導入されるイタリアの2ブランド、どちらもかつて国内で好評を博していたメーカー、PATHOS(真空管と半導体のハイブリッドアンプ)とCHARIO(スピーカー)の展示がありました。どちらもイタリアらしいデザインが魅力。期待されます。





ノアのブースのスピーカーはやはりSonus Faber。
メインで鳴っていたIL CREMONESE は良いのは当たり前ですが、アメリカンハイエンドと違い、堂々としていながらもどこか響きが優雅。
注目の新製品、Sonetto は価格もこなれていて一押しです(写真上)。
また、参考展示で新しいElecta AmatorⅢ がひっそりと! 国内で発売されれば人気間違い無しでしょう(写真下)。





さて大きなガラス棟から橋を渡って向かいのD棟へ。
A&Mではこの11月に発売したての新型300B パワーアンプが。
ちょっと気難しいタンノイのケンジントンを実に快活に楽しく聴かせてくれたのには参りました!
参考展示の新しいフォノステージアンプもプロトタイプながらさらに外観が煮詰められたように見受けられ、これも次の期待作です。



ユキムのブースには大きな話題作が。
小さいですが、上の写真をご覧下さい。何とプレーヤーのプラッターが完全に宙に浮かんでいるのです。中心軸や支えなど一切繋がるものはなく、4~5cmほどの高さにUFOのように浮いています。
リニアモーターの原理を応用し、巧妙な制御プログラムでコントロールしているのですが、しかし意表を突くこんなことを実現してしまうのは大したものです。
早々に日本にも輸入というので驚きました。「信じるか信じないかは、あなた次第です!」




いつも最後に訪れるのはヨシノトレーディングのブースです。
並ぶのはいつもどおりEAR,Clearaudio,Nottingham などの人気ロングセラーモデルばかり。今回も特別な新製品というのはありません。強いて言うと、小型ブックシェルフ・スピーカーの英FALCON のLS3/5a を上下2段にスタックした(上は逆さまに)パラヴィチーニ仕様でガンガン鳴らしていたこと。ティムさんは「My new baby!」と言っておりました。
今回はそのパラヴィチーニ氏がデモでも大活躍。ただ製品の解説や売りこみ等は一切ありません、というより全くそうしたことには興味無し。これもいつもどおりですが、メインソースがオープンリール・テープデッキ(DENON のプロ機)で、とっておきのマスターテープ・コピーをかけたり、CDに録音した編集前のセッション録音を聴かせたりします。
話もレコードのプレスの違いによる音の差など、彼の頭の中にいっぱいに詰まったネタを次から次へと披露して、まるでお気に入りのパブかどこかで集まった仲間達の真ん中で嬉しそうに話すマニア、みたいな雰囲気で、お客さまもつい身を乗り出して話に頷く、というような微笑ましい光景はここだけ、特別です。
それにしてもかなりのお歳になった今でも、全く新しい興味に目を輝かせて取り組むエネルギーは素晴らしいと思います。
まだまだ第一線で活躍下さいね。
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